幸福な生活(漫画の単行本) について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!
以下の短編が収録されています
・母の記憶
・そっくりさん
・豹変
・再会
・催眠術
・淑女協定
・幸福な生活
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幸福な生活(漫画の単行本) とは?
出版社:祥伝社
発売日:2015/11/7
作者 :山崎童々, 百田尚樹
ベストセラー作家・百田尚樹原作。
漫画・山崎童々でおくる、秘密を覗くオムニバス7編。
[母の記憶]
認知症になった母がある日「嫁を殺した」と告白し…。
[そっくりさん]
テレビ編集マンの夫は男性と浮気しているようで?
[豹変]
結婚して5年。
大手新聞社勤務の妻との間になかなか子供ができず…。
[再会]
DVで10年前に離婚した夫が突然会いに来たのは“謝罪”のため――
[催眠術]
「思い通りになる」と聞きセックスレスの妻に催眠術をかけた!
[淑女協定]
不倫・性癖・交遊関係もバレバレな社内結婚はリスクが高すぎるから…
[幸福な生活]
娘が結婚相手を連れてくる日、父はたった一度の“火遊び”を思い出していた。
―ラスト1ページの衝撃に必ず息を呑む、オムニバス7編。
母の記憶 のネタバレ
明は弟と母子家庭で育った。
明は仕事の帰りに施設に入っている母に会いに行く。
父は明が7歳のころに家出していた。
母は現在60歳のため
37歳から女で一つで再婚もせずに明と弟を立派に育てた。
母は最近痴呆が進んで、
昔話をするが明らかにおかしい内容だった。
明に昔買ってあげた蝙蝠のおもちゃが家の中を飛び回って怖かったというが、
そのおもちゃは飛ぶことができない。
母は明の妻の道子を殺してしまって済まないと謝ってくる。
道子は元気に生きている。
もともと母と道子はソリが合わなかったが、
母の中では母が殺したことになっていた。
明は父が出ていった夜の出来事を思い出す。
明の父は元々働いておらず、
母のヒモだった。
明と弟は縁日で金魚を貰い、
その金魚の池を庭に作る約束をしていた。
しかし父は面倒がってやらなかった。
明が約束を指摘すると
父は明を殴った。
母が父を咎めると父も逆上して大喧嘩になった。
母が
“出てけ”
というと父は
“言われなくても出てってやる”
と言ってそれ以来姿を消していた。
母の昔話に
タンスの中に高額な株をしまっているということが出てくる。
明は念のため今はだれも住んでいない実家の家を調べるが、
何も出てこなかった。
家の庭は荒れ果てていたが、
母が作ってくれた金魚用の池の穴は残っていた。
池は地面に穴を掘り
モルタルのようなモノで固められていた。
少しつついただけでボロボロ崩れた。
崩れた個所から
昔大事にしていた怪獣のおもちゃが出てくる。
母に父の話を聞きに行くと
母は
“昔は素敵だった”
という。
結婚してからダメになってしまったのだという。
母は
“酔っぱらってばかりいるから殺しちゃった”
というので
明は呆れながらも話を合わせる。
母は父を選択ロープで首を絞めたという。
死んだ父を庭に埋めたが
その際に父がどうしても怪獣のおもちゃを手放さなかったため一緒に埋めたという。
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そっくりさん のネタバレ
芳子は友達とカフェで話している。
芳子にそっくりな人を池袋で見かけたと話題になる。
芳子はその日池袋にはいっていなかったので、
“そっくりさん”
ということになる。
“世の中には自分にそっくりなひとが3人はいる”
という事なので雑談のネタとして盛り上がるだけだった。
夫にそのことを話すと
“池袋に出るときは探してみるかな~”
と言う軽い感じだった。
夫はテレビの編集者をしていて
泊りがけの仕事が多く長いときは一週間帰らなかった。
友だちは不倫を疑っていたが、
芳子は不倫ではない確信があった。
夫の机からゲイの雑誌が出てきたため、
芳子は夫を同性愛者だと思っていた。
“限りなくゲイ寄りのバイ”
と認識していた。
また、
夫が寝言で
“ヒロシ”
と男の名前を口にしていた。
芳子は
“ヒロシは夫の彼氏”
なのだと思い
“性癖のひとつくらいいいじゃない”
と見て見ぬふりをして許容している。
夫は妻と娘に優しい働きものだった。
ある日
夫はいらない雑誌をまとめておいて芳子に捨てておいてくれるように依頼する。
ゲイの雑誌がその中にはあった。
夫は
“ウケるよな、仕事の現場にあった雑誌で読んでみたけど未知の世界だ”
と言っている。
芳子の
“夫はゲイ”
の認識は間違いだった。
芳子は友達と池袋に来ていた。
以前の雑談を思い出し、
自分のそっくりさんを探してみる。
すると
夫のそっくりさんを発見する。
夫はロケで渋谷の編集室に籠っているハズのため、
夫とは別人だと思っていた。
それでもその男性は異様なほど夫に酷似していた。
芳子はその男性を凝視している。
男性の妻と子供が男性に駆け寄っていく。
男性は男の子を抱き上げて
“ヒロシ”
という。
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豹変 のネタバレ
俊夫の会社の先輩が頭に傷を負っていたため話題になる。
先輩は妻の箸の持ち方を注意したら
フライパンで殴られたのだという。
大人しそうな奥さんのためみんな驚いていた。
先輩は
“女にはそういう隠れた一面がある”
と楽しそうに喫煙所の話題の一つにしていた。
俊夫の妻はいい妻だった。
無邪気で結婚して5年経つが変わらず愛らしかった。
家事をちゃんとこなす上に、
新聞記者で俊夫よりもはるかに稼いでいる。
“なんで俺に嫁いでくれなの”
と聞いたことがあった・
妻は
“俊夫には野性味がある、逞しい感じの人に憧れる”
といった。
妻は
“子供ができるなら俊夫に似るといいな…”
という。
妻は子供を欲しがっていた。
妻がA型で
俊夫がB型のため
子供は全パターンの血液型になると楽しみにしている。
俊夫は病院で検査を受けると無精子症と診断されていた。
妻にはそのことを言えずにいた。
俊夫はいっそのこと
フライパンで頭を殴ってほしいと思っていた。
食事中に妻は
“とってもいい事”
があるという。
俊夫が尋ねると
妻は
“できちゃったの”
と嬉しそうに報告する。
俊夫はキッチンにあるフライパンを見つめる。
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再会 のネタバレ
深雪は会社で仕事中にある男に呼び出されて仕方なく席を外す。
深雪は上司に
“ちょっと顔を合わせたくない人がきた、会わないと言ったらロビーで大暴れしかねない”
といって仕方なく外の喫茶店であうことにする。
男は元夫の大下だった。
深雪は大下の変貌具合に驚く。
大下は腰が低く申し訳なさそうな表情をしていた。
二人は紅茶を頼む。
大下は酒で肝臓を悪くしたという。
深雪は
“自業自得”
といって大下から過去に振るわれた暴力などを指摘すると、
大下は申し訳なさそうに謝る。
大下は子供が中学生になったことを聞くと嬉しそうにする。
深雪は大下との結婚生活を想いだす。
結婚2年は仲が良かった。
3年目から酒の量が増えていき、
深雪が同窓会で遅く帰宅すると暴力を振るう。
深雪は病院のベッドで離婚を決意した。
大下は子育ては深雪に押し付けっぱなしで、
深雪の海外転勤も許さなかったことを謝罪する。
大下は全面的に自分の弱さを認めていて、
深雪に非はないと言っている。
深雪はあえてトゲのある言葉を選んでいる様子。
深雪の上司の遠藤が心配になり、
やってきて軽く挨拶する。
深雪は大下に紹介しようとするが、
大下は遠藤のことを良く知っている様子。
大下が深雪と不倫をしたがっていることを指摘して、
本社の女生と何人も不倫関係を結んできたことを深雪の前で明らかにする。
冷静な遠藤は狼狽して
“失礼な”
といって戻っていく。
大下は深雪と遠藤がタクシーで二人きりの時の言葉も知っていた。
深雪はそのことを指摘するが、
大下は
“あの男のことはどうでもいい、今日は深雪に謝罪しにきた”
という。
最後に大下は
“本当に悪かった”
と深く頭を下げると
深雪は
“もう済んだことでしょ”
という。
大下は二度と姿を現さないと言って帰っていく。
深雪は10年間忘れることのなかった、
大下への恨みが消えていることに気付く。
昔の大下は自分の非を認める男ではなかった。
“許したのではなく、人が変われるという事に心を打たれたのかも”
と深雪は思う。
深雪に母から電話が入る。
母は
“一応知らせた方がいい”
といって
大下が今朝亡くなったという。
大下に出された紅茶は手を付けた形跡がなかった。
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催眠術 のネタバレ
真一と清香は結婚2年目だった。
清香は真一より4つ年下だが、
清香の方が圧倒的に優位に立っている。
清香は真一のことを
“坊や”
と呼んでいる。
清香と真一は同じ職場の同僚で、
真一の上司が真一につけたあだ名だった。
真一は同僚の荻原に習った催眠術を清香にかけて見ようとする。
荻原はかける側とかけられる側の信頼関係が大事だと言っていた。
荻原は自分の彼女にかけて思いのままに動かせたと楽しそうに話していた。
かけられている方には意識がちゃんとあるが、
逆らうことができないのだという。
清香は真一に付き合ってあげる。
真一は五円玉に糸をつけたものを持ち出す。
よくある方法で清香に催眠術をかけようとして、
清香は5円玉を真一の指示通りに凝視する。
清香は指示通りにするが催眠術にはかからなかった。
清香は
“無駄な時間付き合わせやがって”
と真一を小突く。
真一は赤面しながら清香と結婚したことを考えていた。
清香は社内で人気があったため言い寄る男は多かった。
その中で
清香が自分を選んだことが真一は不思議だった。
五円玉を糸から外す際に、
五円玉を落としてしまい清香の目の前で転がる。
清香は5円玉をみるとボーっとする。
真一は清香が催眠術にかかったと思い
“服を脱いで”
というと清香は虚ろな表情のまま従う。
真一は催眠術にかかったと確信して質問をしてみる。
一番愛している男の名は?
という問いに対して
清香は
“正岡真一”
とこたえる。
真一は
“死んでも口にしないようなことを”
と喜ぶ。
今までの経験人数を聞くと
“20人”
と答えたため青ざめる。
一番最近男に抱かれたのは?
という問いに対して
清香は
“あなたの同僚の荻原さん”
とこたえる。
真一は荻原が催眠術を試した彼女というのが、
清香のことだと思い動揺する。
清香は真一に
“バーカ
坊やの催眠術なんかに
かかるわけないじゃん”
という。
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淑女協定 のネタバレ
中島は会社の創立記念パーティに妻のエリと参加する。
元同僚や現在の同僚と軽い挨拶を交わす。
同僚の高橋の妻のカオリとは昔付き合っていたため、
“早くされ”
と思っている。
カオリは中島と結婚したいようだったが、
カオリの男癖の悪さを知って何とか逃げ切っていた。
同僚たちは社内恋愛で結婚していた。
寿退社した女性たちは
懐かしそうに話している。
カオリは中島の上司とも不倫していた。
女同士だとお互いの恋愛遍歴は
“淑女協定”
で漏らさない様子だが
自分の彼氏や夫には話してしまう様子。
それを聞いた彼氏や夫には
“淑女協定”は関係ないため、
結果としては“淑女協定”は意味を成していなかった。
中島は社内恋愛の結婚だと
“だれのお下がりを貰うかわからない”
と思ったためお見合い結婚にした。
中島の妻のエリは美人で料理が上手いため、
中島は満足していた。
“お互いの過去を知る共通の知人がいない”
事で気が楽だと中島は感じていた。
パーティ会場にエリのことを知っているらしき女性が話しかけてくる。
派手で美人な金髪の女性で
エリとは昔の派遣会社で一緒に働いていたという。
女性は中島とも簡単な挨拶をして去っていった。
エリはトイレに行きたいというので、
コートを預かり待つことにする。
先輩の岩崎が先ほどの金髪の女性のことを指して
“お前も知ってんのかよあの女”
という。
中島は
“知り合いですか?”
と聞くと
岩崎は
“二度くらいよんだ、出張ソープ嬢だよ”
という。
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幸福な生活 のネタバレ
山田は娘のヨウコが婚約者を連れてくるのを妻とともに家で待っている。
待っている間に今までの人生を二人で振り返っている。
山田は26年間サラリーマンをしている。
若いころから出世欲はあまりなかったが、
“定年近くにどこかの小さな支店の支店長になる”
という夢は叶っていた。
ヨウコは結婚が決まり、
息子の克幸は志望校への大学進学が決まっている。
山田は妻に
“家のことを良く見ていてくれた”
と感謝している。
山田の使い古した湯呑はひび割れて、
お茶が漏れ出しているが妻がそれを拭く。
“50歳を超えたらオーディオルームを持つのが夢”
というのも叶っている。
山田は
“平凡だが満ち足りた人生”
と思っていた。
ひび割れた湯呑からは沢山のお茶が漏れ出ている。
一つだけ山田には秘密があった。
ヨウコの幼稚園の若くて奇麗な先生と、
一度だけ浮気をしていた。
偶然バーで会ってお互いに好印象を持ち、
一夜限りの火遊びをしていた。
山田は
“上手くやりおおせた”
と華やかな思い出にしていた。
昔話をしていると
ヨウコが婚約者を連れてやってくるので妻とともに出迎える。
妻は病院で
ヨウコに花の水を変えてくれるように頼む。
ヨウコはゲームをしている克幸に
“お前が替えてきてよ”
という。
克幸は気だるそうな表情をしている。
妻はベッドで寝ている山田に
“再婚を考えてる、子供二人はもう大人だし、もういいよね”
と話しかける。
ナースステーションで看護師たちが山田について話している。
山田は20年間植物状態だという。
ヨウコの幼稚園の運動会の帰り道に事故に遭いそのままだという。
“一番幸せな時期にお気の毒に”
と看護師は山田を憐れんでいる。
山田の湯呑みは粉々に砕け散っている。
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幸福な生活(漫画の単行本) の感想
全部の短編でオチのインパクトが凄いです。
インパクトが凄いのをあえてサラっと描くので逆に印象に残ります。
さらに言うと
どの話も必ず2回読んでみることをお勧めします。
2回読むことで、
どの短編も見事に
“ラストのオチにつながる伏線”
が隠されているのに気づきます。
1回目では普通にスルーしてしまうようなセリフやコマの描写も、
2回目に
“あっ…”
と気付くハズです。
どの短編も
“知らぬが仏”
というのが言葉が教訓になりそうです。
“知っときたいけど、知らなきゃよかった…!?”
という
人間の矛盾した気持ちを見事に表現しています。
漫画としてよくできているのが、
最後の1ページは必ず見開いて右側のページになっていることです。
仮に最後の1ページが左側にあった場合、
ページをめくった瞬間に最後のオチ(左側のページ)を見てしまう可能性があります。
作品の構成として最後の1ページの、
もうひとつ前のページも非常に重要です。
ラスト2ページ目を読んで
ラスト1ページのオチを読むという順番をしっかり守ることでオチのインパクトは増大しています。
読者がミスって
先にオチを見てしまわないような配慮がちゃんとされています。
紙の書籍でも電子書籍でも、
読者は問題なく作品を楽しむことができます。
さり気ないけど、
非常にありがたい作者の配慮です。
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