声なきものの唄 5巻について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!
5巻には17~19話が収録されています。
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声なきものの唄 17話のネタバレ
~変身~サヨリは瀬島に女郎としての手ほどきを受ける。
サヨリは瀬島に骨抜きにされ
瀬島には
“男を悦ばすことだけがおまえの生業”
と言い聞かされる。
サヨリは瀬島に抱かれる快楽で他のことはどうでもよくなってしまう。
瀬島が女郎を買ったら決まって泊まる宿があった。
サヨリと泊ったのもその宿で、
女将は瀬島が買ってきた女郎を見ていた。
田舎娘がたった一晩で立派な女郎になり宿から出ていく姿を何度も見ており、
サヨリもまたそのうちの一人だった。
お手伝いの女が女将に
“ウチもあんなんにかえてもらいてぇ”
と呟くが
“一生をドブに捨てたいんか”
と注意される。
瀬島に見初められた女は二度とは普通の暮らしに戻れないのだという。
瀬島に惚れて
“いつか瀬島と一緒になる”
という幻想を持たされてボロボロになるまで働かされるのだという。
瀬島は
“この世で一番憎んでいる女は母親”
とほくそ笑んだことを女将は印象に残っているのだという。
瀬島は馬車の中でサヨリにこれからの仕事を説明していた。
サヨリは瀬島に
“抱かれる男はみんなワシやと思え”
といわれて、
妹のことはどうでもよくなっていた。
瀬島はそんなサヨリの様子を見て
“男無しではいられないようになったか、浅ましい…”
と蔑んでいた。
瀬島はサヨリを大阪に連れていく。
依頼主は客の男の息子だった。
客の男はすぐにサヨリを気に入り、
サヨリも言いつけ通り客を瀬島だと思い上手くやる。
依頼主は
“これで親父が事業に口出ししなくなる”
と安心していた。
依頼主は父の腹上死を狙っており瀬島もそれに気づいていた。
瀬島はサヨリなら上手くやってくれると確信していた。
東陽楼ではチヌの謹慎が評判になっていた。
チヌはナンバー2だが
罰を与えないと他の女郎に示しがつかなかった。
公三郎はチヌの心配をしていた。
チヌは女中に交じって下働きをしていた。
特に汚くてツラい仕事はチヌに割り振られていた。
女中のまとめ役のクマもチヌにきつく当たっていた。
仕事が忙しすぎて食事をとれないときもあった。
チヌは辛い仕事をしながら姉のことを想っていた。
心配してやってきた美緒が報告もしてくる。
後藤田はナンバー3の蓮花を客に取るようになったという。
それを聞いたチヌは後藤田に心を許したことに自己嫌悪していた。
クマは相変わらずチヌには厳しかった。
後藤田と蓮花から公三郎がチヌの旦那をやめるかもしれないという噂を聞いて泣き崩れる。
その頃
サヨリは何人もの客を死なせて
“死神”
と囁かれるようになっていた。
サヨリは
“旦那変わるたびにあの人が褒めてくれる”
と瀬島のことしか頭になかった。
泣いているチヌを心配して栄太がやってくる。
チヌは姉が自分に気付かなかったことを嘆くが
栄太は
“当たり前やろ”
と当日はチヌが厚化粧をしていたことを指摘する。
“チヌだと気付かなかっただけ”
栄太に指摘され
“気付いたら会いに来てくれたよな”
と思いチヌは元気になる。
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声なきものの唄 18話のネタバレ
~迷い猫~チヌは下働きを続けさせられていた。
期間を言わないのも店主の狙いだった。
蓮花はここぞとばかりにチヌに下働きを押し付ける。
コチョウが洗濯を手伝いくるが
クマは
“なに手伝わせてんだ”
とチヌをしかるとコチョウは驚いて逃げていく。
辛い下働きをしていても
“島へ帰ろうチヌ”
とサヨリが現れるのを夢見ていた。
下働きだと借金を返せないのでもどかしく思っていた。
女将はそろそろチヌを戻したいというが、
旦那はまだ続行するつもりの様子だった。
旦那はチヌのことよりも趣味の高価な茶入れに夢中になっている。
女将に睨まれるが
“ちょっと預かっているモノ”
といって誤魔化していた。
蓮花は後藤田を自分の旦那にしたくて言い寄っていたが、
後藤田は上手く交わしていた。
巴は
“自分たちはお客さんの一晩妻”
だと注意する。
“惚れたはれたの上澄みだけをお客さんに味わっていただく”
というと
蓮花は
“肝に銘じて起きます”
というが本心では全く聞き入れていなかった。
蓮花は
“こんな絶好の機会は逃せない”
と一気にナンバー1の座を狙っていた。
チヌがお使いで外出していると
後藤田が強引に迫ってくる。
チヌは驚くがすぐに落ち着きを見せて
“千鳥大夫にもどったらいくらでもお相手いたします”
と微笑んで頭を下げてあしらう。
チヌの仕事熱心な姿勢は
いつの間にか女中の間でも評判になり味方が増えていた。
クマのチヌに対するあからさまにキツく当たる姿勢はひんしゅくをかうようになる。
後藤田はごきげんな様子で見世に訪れる。
店主に
“チヌにちょっかいを出したが軽くあしらわれた”
と楽しそうに報告していた。
“女中でも女郎でもやっぱり面白い子。いかにも商売という嬌声あげられるよりいい”
とチヌを心底気に入っている様子だった。
店主と後藤田の会話を蓮花は部屋の外で聞いていた。
チヌは物置で傷ついた仔猫を発見する。
ちょうどクマがいたので救出を手伝ってもらう。
クマは汚くて傷だらけの仔猫を嫌がるが、
チヌは衰弱した仔猫を助けるために必死になっていた。
女中たちは汚い仔猫を嫌がるが
チヌの献身的な様子を見ると応援しだす。
チヌは仔猫を胸元に入れながら仕事をする。
クマが夜の戸締りの見回りをしていると、
チヌが寝る部屋ではない場所で座ったまま寝ていた。
胸元に入れている仔猫を潰してしまわないのと、
猫の泣き声が他のみんなの睡眠の妨げになってしまうからだった。
クマはチヌの底抜けの優しさに呆れるが、
仔猫に触れると死んでしまっているのに気づく。
チヌを起こすとチヌは大泣きして悲しんでいた。
翌日に女中のみんなで子猫を埋葬する。
それ以来
クマのチヌに対する接し方が柔らかくなる。
チヌは
“おクマさんネコ好きだったんかな”
くらいに思っていた。
ある日
店主が大事にしていた高級な茶入れが無くなって騒ぎになる。
蓮花はチヌの仕業だと指摘する。
チヌの荷物を調べると壊れた茶入れが入っていた。
チヌは泣きながら潔癖を訴えると
クマは
“人を騙すような子ではない”
と店主に直談判してチヌを庇う。
店主は
“もうええわ”
とコトを収めようとするが
蓮花は
“みんなチヌに騙されている”
という。
チヌを陥れようとしたのが蓮花だということは、
見世のだれもが察して冷たい視線を蓮花に向けていた。
いたたまれなくなった蓮花は悔しそうに部屋に戻っていく。
チヌは心配して蓮花を追いかけると、
蓮花は
“なんであんたばっかいい目見るんだ?なんでみんな私ではなくあんたを選ぶ”
と錯乱してチヌを階段から突き飛ばす。
クマがチヌを心配して駆け寄るが大怪我はない様子だった。
蓮花はその場に泣き崩れる。
蓮花は本人の希望でよその見世に移ることになる。
茶入れの犯人も蓮花だと判明していた。
チヌは
“なんであんな綺麗な人が私なんかを…”
と困惑していたが
店主は
“人の心が一番わからんし恐ろしい”
という。
クマはチヌに父親が女郎に入れあげて蒸発した過去を打ち明ける。
父が入れあげた女郎は奇麗な女郎ではなくチヌみたいな素朴なタイプだったという。
そのため
ついチヌにつらく当たってしまったと深く頭を下げて謝罪する。
チヌの謹慎明けが決まったため
クマは
“千鳥大夫の返り咲きか、がんばりや”
とチヌを激励する。
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声なきものの唄 19話のネタバレ
~渇望~チヌの
“返り咲き”
はお祭り騒ぎとなっていた。
店主は
“玉代二倍でもイける!時々この手使おうかな?”
と大喜びしていた。
巴も
“ウチにも謹慎せんかと迫ってくる”
とチヌの復帰を笑って喜んでいた。
チヌが子猫を助けようとしたことも話題になっていた。
後藤田は高価なペルシャ猫をもってやってくる。
手違いで公三郎が座敷に通されてくる。
公三郎は三毛猫を持っていた。
女中は慌てて手違いを謝罪するが気まずい空気になる。
チヌは公三郎が来たことを喜ぶが、
すぐに不穏な空気を感じ取り慌てる。
部屋の外から猫が一匹入ってきて3匹の猫が大騒ぎで座敷を駆け回る。
女中として最近住み込みで雇われたシノの猫のヒイだった。
後藤田はシノを突き飛ばしてしまい、
慌てて助け起こして謝罪する。
猫は部屋の外に行き、
公三郎と後藤田はそれぞれの猫を追いかける。
座敷は荒れてしまいシノは追及されそうになるが
チヌは
“おかげで助かった”
とシノを庇う。
シノは昔は売れっ子の女郎だった。
今は身寄りがなくなり番頭を頼ってきたため、
番頭の口利きで東陽楼で面倒を見てもらうことになっていた。
シノは女郎たちに化粧のアドバイスをすると、
女郎たちは
“ウチも見てくれ”
とシノに頼るようになる。
女郎たちはシノが3度も身請けされたことを知ると、
その話を食い入るように聞く。
巴は興味を持たなかった。
“男に食べさせてもらっている”
というシノに対して
巴は
“男で食ってる”
と主張する。
シノをよく知る番頭は、
シノが男性依存な女だったことをチヌたちに打ち明ける。
身請けされても
すぐ別の男によりかかりそれがバレて追い出されるのを繰り返したのだという。
とうとう男に見向きされない年齢になったのだという。
最後に残ったのはヒイという猫のみだった。
巴はチヌに
“情け心だして付き人にしてはいけない”
とチヌの心中を見抜いて注意する。
番頭はシノと
“若気の至り”
で
“わりない仲”
になったことがあると打ち明ける。
そのため
見捨てることができなかったのだという。
“この見世で最後まで面倒見てあげたい”
と番頭は巴とチヌに頭を下げていた。
いつも厳しい番頭の意外な側面にチヌは驚いていた。
後藤田が見世に訪れるとシノが掃除をしていた。
後藤田は猫は売ってしまったという。
“こないだのわび”
といって
女郎たちだけでなくシノにもプレゼントを贈る。
シノは去っていく後藤田をみて赤面する。
チヌがヒイの面倒をみていると
ヒイが突然走っていってしまう。
慌てて追いかけるとヒイは公三郎に擦寄っていた。
チヌは公三郎とあえて喜び二人でお茶をすることになる。
三毛猫は公三郎の家で飼っているのだという。
チヌは
“奥様はもらわれんのですか?”
と聞くと
公三郎は真剣な表情になる。
“僕はね、ここのところに傷が残っている。それがあるうちは幸せになってはいけない”
と胸を指す。
“チヌちゃんが僕をイヤになったらいつでも捨てていい。でも僕は君が好きだから捨てられるのは寂しい”
と微笑む。
チヌが見世に帰ると
公三郎からの贈りものの高価な着物が届いてた。
チヌは後藤田に構われていい気になっていた自分が恥ずかしくなり泣き出す。
“公三郎の笑顔を本物の笑顔にする”
とチヌは自分の役目を認識する。
後藤田が見世を訪れると
チヌは問題なく後藤田をあしらう。
後藤田は心を揺れ動かさないチヌに面白くない様子だった。
機嫌を損ねて帰ろうとするとシノが後藤田に話しかけるが
“かまうな”
と怒鳴られて青ざめる。
後藤田は
“すまねぇ”
といって金を渡す。
栄太は
“あんまり波風立てないでくれ”
とシノを注意するが
シノは
“うちんこと気にかけてくれますんか?”
と全く意味を理解していない。
シノはボケが進んで自分が若く美しかったころをと現在がよくわからなくなっていた。
後藤田がチヌを訪れてきた際に
シノは襖の隙間から覗いていた。
後藤田がそれに気づき激怒する。
番頭は
“わしにまで恥をかかせた”
とシノを追い出す。
番頭は激怒する後藤田のために座敷と酒を用意する。
なんとか取り繕っていると
ヒイが座敷に入ってくる。
ヒイはチヌをどこかに連れていきたい様子だった。
チヌは美緒に酌をまかせてヒイについていく。
ヒイはチヌの部屋の前に行くと
シノがチヌの部屋の中で女郎の化粧をしていた。
チヌが恐る恐る
“シノさん”
と声をかけると
シノは
“ウチは羽衣大夫や”
と現役時代の源氏名で応える。
シノは化粧をして着物を着て奇声を上げながら廊下を歩くと、
みんなギョっとする。
慌てて男たちがシノを捕まえると、
シノは泣き叫んで暴れる。
シノは慈善病院に連れていかれることになる。
ヒイはシノのことを見送っていた。
ヒイはチヌが引き取ることになる。
栄太は
“ヒイ”
は
“お姫”
ではないのだという。
ヒイはオスだった。
本当は
“ヒガン(彼岸、あの世)”
なのだという。
栄太は
“早く死にたかったのではないか…?なかなか自分では死ねないし”
という。
チヌが泣きだすため栄太は困った表情をする。
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声なきものの唄 5巻の感想
サヨリとチヌの温度差がヤバい…
サヨリは男性依存なメンヘラだったようです。
残念ながらチヌのことなどすっかり忘れて瀬島のことしか頭にありません。
そう思うと
チヌはとても心が強い娘なようです。
サヨリよりも年下なのにサヨリのことを想いつつも仕事をちゃんとこなしています。
しかも
チヌは他の女郎のフォローもしています。
自然と人望が集まるのも頷けますね。
仮にチヌは公三郎に抱かれていたとしても、
チヌの献身的な精神は変わらないと思います。
むしろ
公三郎に抱かれていたらより一層頑張れているかもしれません。
姉を想い続けたチヌと、
妹をすっかり忘れたサヨリが対面する時が楽しみですね。
チヌは大喜びするのは間違いないでしょうが、
サヨリはどんなリアクションをするのでしょうか…?
“そういえば妹がいたっけ…”
的なドライなリアクションでチヌを傷つけるのを期待しています!
蓮花の件はベタだけど期待通りの流れで痛快でした。
巴が蓮花に対する注意した内容も納得いくモノでした。
客の立場からすれば、
軽い気持ちで遊びに来ているのに
“旦那になって”
とせがまれたら鬱陶しいですよね。
面倒くさい駆け引きにも辟易してしまうと思います。
チヌのように美人ではないけど飾らない優しさで接してくれる女性の方が安心感があり、
リピーターも増えるのかもしれません。
チヌは女郎たちだけではなく女中も味方につけました。
ナンバーワンの巴にも気に入られています。
東陽楼で盤石の布陣を敷いた影の首領?になる日も近いかもしれませんね。
シノの話はちょっとしたホラーでした。
現代で言うと孤独死みたいなものかもしれません。
シノは東陽楼というコネがあり、
慈善病院に送られただけかなりマシな方かもしれません。
チヌと本番行為をしていて絶頂の際にシノの顔を見てしまったら一生モノのトラウマですよね…
後藤田が激怒するのも当然だと思います。
ですが
奈緒の言う通りシノの姿は女郎たちにとっては他人事ではありません。
誰もがシノのような終着点に行く可能性があります。
女郎たちだけではなく、
読者のテンションもガン下げする強烈なエピソードでした。
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