IS(アイエス) について
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IS(アイエス) ~男でも女でもない性~ とは?
出版社:講談社
発売日:2003/11/13
作者 :六花チヨ
「IS(インターセクシャル)」確率として、2000人に1人。
「性」というデリケートな壁を前に、声も出せず震えている“私たち”を知ってください――。
《CASE 1:ヒロミ》
戸籍の性別は空欄のまま。
女として育ったけれど、“フツウ”と違う身体。
「一生恋愛できない」と思っていたヒロミに、同僚から突然の告白が。
身体のこと、好きな人に知られたら……!?
《CASE 2:竜馬(りょうま)》
17歳の夏、僕の身体は“女性化”しはじめた――。
自分らしく生きるため、カミングアウトをするのだが……!?
IS(アイエス) 1話のネタバレ
~CASE 1:ヒロミ ①~ヒロミは女として育っていたが、
戸籍の性別は空欄のままだった。
職場でも
“女らしい子”
として男性たちは顔を赤らめる程だった。
ヒロミは
“女の子”
を演じていたが
それでも人間関係が上手く築けずに何度かの転職を繰り返していた。
そんな時に加藤と出会う。
加藤は野球クラブの試合を応援しに来てほしいと懇願して地図を渡して走って去っていく。
ヒロミは
“私のこと女の子だと思ってるから…”
と失笑していく気は無かったが、
地図に加藤がヒロミを口説く手順のメモと免許証があったのに気づく。
メモのストーリーに呆れながらも
免許証を届けてあげるために野球の試合を見に行く。
ヒロミが来たことで加藤は張り切るが
良いとこなく擦り傷だけ負ってしまう。
ヒロミが絆創膏を手渡すと
加藤は舞い上がりメモの通りに口説いてくる。
メモの流れを把握していたヒロミは
“はいはい”
と相槌を打っていると
加藤がメモとは違う
“俺とつきあってください”
というセリフをいう。
ヒロミは流れで
“はい”
といういと加藤は大喜びする。
ヒロミは加藤の能天気さに惹かれて付き合うことになる。
デートをするうちに二人は親しくなるが、
ヒロミはキス以上は躱していた。
“キス以上を求められたら?”
“知られてしまったら?”
という不安を抱えたまま帰宅すると
母親が
“やめときな、その身体を理解してくれる人なんて…あんたが傷つくだけ”
と反対するが
ヒロミはきく耳を持たない。
ヒロミの身体は生まれた時から男でも女でもなかった。
母親は何も教えてはくれなかった。
集団生活を送る上でなんとなく
“誰にも知られないように女の子らしく振舞わなきゃ”
と気付くようになる。
中学生になると生理は来ない上に、
声が低くなり体毛が濃くなってくる。
成長するほどに他の女子たちとの違いを思い知っていく。
“女じゃないけど男でもない”
その答えを見つけたのは
高校背の時にネットで調べてだった。
神話の世界に出てくるような
“両性具有”
とは違い
現実はISのほとんどが生殖機能を持っていない。
デリケートな問題のため一般には隠されていた。
“男女”
どちらかに強引に組み込まれて生きていると知る。
母を問いただすと
“仕方なかった、離婚して一人であんたを必死で育てた。どっちでもないなんて隠すしかない…”
と母も頭を抱えていた。
ヒロミは誰にも相談できず
同じIS同士ネットで知り合ったマルという人とチャットするのが楽しみだった。
ヒロミはマルから
“造膣手術”
を提案される。
“外見だけでも女になれば”
と思い病院に行ってみる。
ヒロミは指示通り椅子に座って開脚されて待っていると、
沢山の医師が興味津々でやってきて見世物にされてしまう。
病院中でヒロミの半陰陽は評判となり、
たまたま来ていた職場の同僚の女の耳にも入る。
ヒロミは挿入された器具の痛さに声をあげることもできずに屈辱を耐えることしかできなかった。
デート中に落ち込んでいるヒロミを加藤は心配する。
そんな加藤を見て
“絶対に女になろう”
と思う。
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IS(アイエス) 1話のネタバレ
~CASE 1:ヒロミ ②~職場で更衣室で着替え中に
病院にいた同僚から
“半陰陽って聞いちゃった”
と言われる。
“今頃あんたあの病院で超有名人”
と嘲っていた。
そのやり取りを通りかかった加藤に聞かれたため、
ヒロミは加藤に自分の身体のことを説明する。
加藤は
“理解できるように努力する”
といったものの
ヒロミには初めて見せる表情で俯いていた。
ヒロミは
“あんな顔させるなんて…”
と自嘲気味に笑っている。
半陰陽のほとんどが
生まれてすぐに医者の性別判定でどちらかの治療を開始するのだという。
ヒロミは母に対して
“この人さえしっかりしてくれてれば!”
と怒りを向けるが
チャットでマルに
“女性化手術していたとして、成長して男性化したら?その逆は?そういう話はあるってゆう…”
と母の立場に立った意見を指摘される。
マルは
“問題は男女どちらかに強引に組み込もうとする社会”
というが
ヒロミは
“そんなこと言ったって”
と納得できない。
しかしマルに
“もしもヒロミが男に治療されてたら?そう考えると怖いでしょ?”
と言われると同意するしかなかった。
ヒロミは手術の日を決めるが
医者に具体的なことを指摘され
“傷の自然治癒を阻止するために男性性器サイズのプラスティックの棒を入れておかなければならない”
と言われて躊躇する。
“手術しても普通と同じにはなれない”
ことを知るが
“それでも気付かれないように…”
と迷っていた。
野球をしている加藤をみていると
加藤のことを知っている人から
“あいつの夢は大家族”
だと知らされる。
“作ってあげれば?”
と囃し立てられてて
思わず
“やめてよ”
と叫んでしまう。
加藤は心配して駆けつけると
ヒロミイは自分が事もを産めないことを打ち明ける。
“私は普通にはなれない、つきあうのもイヤなんでしょ?”
とお泣きながら加藤に怒りをぶつけてしまう。
帰り道に
“努力してくれたのにあんな事言うなんて”
と後悔していた。
疲れ果てて
“ラクになりたい”
と思い電車に飛び込もうとしてしまう。
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IS(アイエス) 1話のネタバレ
~CASE 1:ヒロミ ③~急にお腹が痛んで正気に戻り
その場に尻もちをつく。
“なんでこんな体に…”
と思ってうずくまっていると
腹部の痛みを再度感じる。
それは自分の男としての部分で、
精巣の痛みだと気付く。
家でISに関する本を読んでいると
たまたま母子手帳を見つける。
そこには母親の苦悩が記されていた。
“男と女どちらにでもなれるようヒロミと名付ける”
“女性化の方が治療が容易だからといって性別を決めてしまっていいのか?”
と当時の母の苦悩を初めてヒロミは知る。
ヒロミは母を責めてしまったことが恥ずかしくなり、
母子手帳を母にみせて
“なんで言ってくれなかったの?”
と問いただす。
母は
“身体なんてどうでもよかった、あなたが私の大事な子供だってことに変わりない”
という。
ヒロミはもしも母子手帳を見つけなかったら、
母を一生恨み続ける所だったため
“言ってくれなきゃわかんないでしょ”
と泣きつく。
“こんなにも私のこと思ってくれてたこと、私のために戦ってくれてたこと”
というと
母は
“ありがとう”
と泣きながらヒロミを抱きしめる。
ヒロミは加藤に会社を辞めることを伝える。
“やりたいことが見つかった”
といろんなセミナーに出てISについて話す活動をするという。
加藤が狼狽していると
ヒロミは
“もう大ちゃんの女にはなれない”
と決意が決まった表情でいう。
自分の中にある男の部分も、
生まれた時からずっと一緒だったことを伝える。
“普通じゃないかもしれないけど、私にとっては自然な身体。こんな自分を大切にしたい”
といって別れを切り出す。
“私は一人で頑張るから、大ちゃんは大家族作って幸せになって”
と泣きながら微笑んで去っていく。
ヒロミの決意の表情を見た加藤は、
追いかけることができなかった。
ヒロミは活動を始める。
ヒロミのISに関する講義は好評で拍手が送られる。
講義終了後
観客の中に加藤の姿を見つける。
講義室からみんなが去った後に
加藤はヒロミに話しかける。
“ヒロミにあっちゃいけないことぐらいわかってる”
というが
ヒロミのことが恋しくて会いたかったという。
加藤は最初はヒロミの女らしさを好きになった。
しかし今は
講義で堂々としたカッコよさにも惹かれているというい。
“そんなヒロミが好き、男とか女とか関係ない。愛してる”
というとヒロミは泣きながら加藤に抱き着く。
講義室でキスをしていると
観客たちが戻ってきて羨ましそうに二人を祝福していた。
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IS(アイエス) 2話のネタバレ
~CASE 2:竜馬(りょうま) ①~竜馬は波に乗るのが好きだった。
しかし
成長するにつれて胸が膨らみ始めてくる。
ウェットスーツが着られなくなり、
サーフィンをやめてしまう。
“僕の身体には何が起こっているんだろう?”
と竜馬は自分がISであることを知らなかった。
サーフィンはしなくなったが
海岸でのごみ拾いはしていた。
その言葉近所で評判になり
地元の新聞にも取り上げられる。
珠がそのことを楽しそうに教えに来る。
竜馬と珠は高校時代につき合っていたが、
自然消滅していた。
お隣に住むため仲の良い関係は続いていた。
今の二人の関係は
“自分が珠のヒナンシェルター”
だと竜馬は認識している。
珠の家庭では父親が酒を飲んで暴れていた。
珠は竜馬に甘えさせてもらうと
“りょうちゃんのこと大好き”
という。
職場では竜馬は男性として扱われていた。
生まれたころは身体は普通の男だった。
しかし漠然と
“自分は女の子”
と心では思っていた。
成長するにつれ如実に現れていくが、
女の子らしい遊びは親にたしなめられるようになる。
“いつか私も女の子になれるハズ”
と思ってはいたがそうはならなかった。
女らしくて虐められることがあったが、
男らしさを見せた途端に周りは竜馬を受け入れる。
“これでいいんだ、これならみんなに嫌われない”
と自身に言い聞かせていた。
しかし
珠と付き合うことになり
“好きな人にさえ反応しないこの身体”
を痛感する。
弟は竜馬の体調不良を心配して
病院に行くことを勧めるので行ってみる。
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IS(アイエス) 2話のネタバレ
~CASE 2:竜馬(りょうま) ②~竜馬の身体を見た医師はすぐに異変に気付く。
問診から
“IS”
の可能性を示唆して染色体検査をしてみる。
検査結果が出る間に
竜馬は自分でISについて調べてみる。
“違う、俺は男だ”
と言い聞かせるが
数日後の検査結果でISであることが判明する。
必死に男を演じてはいたが、
心では女だと感じていた。
“知らなきゃよかった”
と一カ月ほど部屋に引き籠ってしまう。
珠が心配して訪れる。
“私もずっと体のことで悩んでる”
というが
竜馬は
“もう避難シェルターにはなれない”
と辛く当たり八つ当たりしてしまう。
それでも珠は
“私の一番大切な人”
と心配するため
竜馬は自分がISであることを打ち明ける。
呆然と話を聞く珠に
“私はもう男として生きたくない”
と本心を告げる。
“こんな気持ち誰がわかってくれる?一人ぼっちだ”
という竜馬を珠は抱きしめて
“私は平気、ISなんて平気”
と今度は自分が竜馬の悩みを聞いて力になるという。
竜馬は自分の心の中の女の部分と男の部分に戸惑っていた。
珠は
“どちらの部分も持っているなんてすごい、こんな人と付き合えてよかった”
と理解を示す。
竜馬は
“ISとして生きて見よう”
と決断する。
職場で
“女として扱ってほしい”
と上司に相談する。
“トイレや更衣室は変えてくれとは言わない、どちらかというと女である”
と説明する。
当然のように職場ではそのことが評判になり、
面白おかしく噂になっていた。
竜馬は男性化の治療を中断することを医師に相談する。
しかし
治療をせず放置すると骨粗しょう症と急激な老化が始まってしまうといわれる。
竜馬は戸惑いながら家に帰る。
家では弟が
“いつまでそんなカッコウしてるつもり?”
と絡んでくる。
竜馬はちゃんと
“男として生きるのがツライ”
と自分の気持ちを伝えるが弟は納得いっていない。
弟はサーフィンをしていた
“かっこいい兄”
に憧れていた。
“今さら女だなんて許せない”
と気持ちをぶつけてくる。
竜馬は
“みんなに迷惑かけてごめん”
といって家を出て一人で暮らすことにする。
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IS(アイエス) 2話のネタバレ
~CASE 2:竜馬(りょうま) ③~珠は
“きっとわかってくれる”
と竜馬を慰める。
そして妊娠しており結婚することを打ち明ける。
竜馬は一瞬硬直するが
“おめでと~”
とおどけて見せる。
竜馬は
“一人”
であることを痛感する。
職場で泣きながらゴミ出しとしていると、
中年女性に
“女として扱ってほしいんでしょ”
とお茶くみを指示される。
竜馬は泣きながら
“ありがとう”
という。
“少しずつわかってもらえばいい”
と思い女としての仕事をこなしていく。
中年女性から
“ISの話聞かせて欲しい”
と言われる。
“子供を持つ親は知っておくべき”
といって公民館で話をする事になる。
当日は沢山の主婦たちが訪れて、
竜馬は自分の半生と苦悩の話をする。
“男と女が混じっている”
“どちらが生きやすいかと聞かれれば女です”
と辛かったことなど全てを話す。
ISに関する勉強会は大成功で涙を流す人もいた。
竜馬は医師に女性ホルモンの治療を受けたいという。
竜馬の意思は固いのを医師はすぐに察したが、
戸籍と異なる治療は保険は適用外でかなりの出費になることを指摘する。
それでも
竜馬の決意が固いため、
医師は専門医を紹介することにする。
珠からの結婚式の招待状が届き
珠の存在が遠くなるのを感じていた。
勉強会のことが地元紙に取り上げられ
それを見た弟が竜馬の元を訪れる。
弟は写真の竜馬を見て
“兄ちゃんは今でもかっこいい”
と謝ってきて何でも協力するという。
弟とはもう一度一緒にサーフィンをする約束をする。
珠に弟との和解を報告すると
珠は自分の不安もう開けてくる。
妊娠して不安になり結婚にも自信が無かったという。
“自分も自分の親のように子供を不幸にするのではないか?”
と悩んでいたが
竜馬の前向きな姿を見て頑張ろうと思えたという。
“生まれてくる子は竜馬みたいになってくれればいい”
と珠が言うのを聞いて
竜馬は
“そう言ってもらえるとISやっててよかった”
とおどけて見せて泣いているのを誤魔化す。
竜馬は職場でも少しずつ受け入れられていく。
竜馬は
“人は一人では生きられない”
ということを
ISに生まれてくることで知ることになる。
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IS(アイエス) 1巻の感想
~CASE 1:ヒロミ~
1話に相応しい感動回でした。
加藤の純粋っぷりがキャラとしてよかったですね。
ISを打ち明けられた瞬間に
“騙してたのか!?”
とガチギレしてもおかしくない場面です。
加藤も別れを切り出された時は
気持ちの整理がつかないようで立ち尽くしていました。
普通の男なら
“黒歴史”
として
ヒロミとの思い出は封印するところだと思います。
しかし
加藤は
“ヒロミを好き”
という気持ちに素直に行動しています。
当然この先二人がどうなるかはわかりません。
“やっぱり子供ができないのは寂しい”
と加藤がヒロミから去っていく展開も十分あり得ます。
それでも
ラストシーンの二人が抱き合ってキスするところには胸を打たれました。
涙無くしてラストシーンを迎えるのは困難かもしれません。
一つ残念だったのが
“マル”
が出てこなかったことです。
ヒロミはマルに紹介されて講義の仕事をしたと思うのですが、
チラっとでいいからマルとの現実でのやり取りを見たかったです。
“最後のシーンで講義室に入ってきた女性がマルかな?”
と思ったのですが
セリフを見るとただのモブの観客のようでした。
モブの
“あの質問が…”
というセリフが
“ヒロミちゃん、次の予定なんだけど…”
的なものだったら
読者目線で
“この女性がマルかも?”
となっていたかもしれませんね。
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