累 6巻について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!


6巻には45~53話が収録されています。


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累 45話のネタバレ

「扉」

野菊はニナの母とは家に遊びに行く仲になっていた。


ニナの母はニナと年齢の近い美しい顔をした野菊に、
ニナを重ねている様子。


野菊はニナの本当の現在の様子を伝えようかと迷うが、
信じてもらえない事とそれを知って傷つけてしまうことを恐れる。


ニナの母はニナに会いたがっていたが
“以前取り返しのつかない事をした”
と会えないのだという。


ニナの母はニナの部屋の鍵は持っているという。


野菊は玄関の鍵の保管場所に
ひとつだけ使用感の無い奇麗な新しいカギに目をつける。


その鍵はニナの部屋の鍵だと予測する。



ニナの母の眼を逸らした隙に
自分が持っていた天ヶ崎の自宅の鍵とすり替える。





天ヶ崎はニナ(累)の一日のタイムスケジュールを調査していた。


18時まで稽古をしており、
その後は家に直帰するということを野菊に伝える。


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累 46話のネタバレ

「ガラスの動物園」

累の舞台の初日の朝に
野菊から一週間ぶりにメールが来て見に来るという。


累は喜んで本番初日を迎える。


舞台は
“ガラスの動物園”
で累はローラという役だった。


ローラは美しい顔をしているが
対人恐怖症と足が悪いことから引きこもりがちだった。


累はローラを演じながら野菊の事を思い出す。


ローラと野菊は共通点が多かった。


美しい容姿に恵まれてはいるが
胸に暗い物を抱えていた。


“不器用で儚げで一人で悩んでいるローラのような野菊”
と累は思っていた。


累は自分が演じるローラを
誰よりも野菊に見て欲しかった。


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累 47話のネタバレ

「砕け散る音」

ローラの内面はかつての累と共通するが、
累の演技は過去の自分の記憶を利用するのではなく新しいローラを作りあげるものだった。


羽生田はソコに気付き
“醜い自分を完全に封じるためか?”
と思う。


累が演じるローラは
“絶望の底、しかしかすかな希望をはらむ”
紛れもない本物だった。


初日は大盛況で無事に終わる。


累は二階席にいる野菊に気付き、
野菊が拍手しながら何か言っているのに気づく。


野菊は累の演技に感激していたが
“偽物如きが本物に迫るなど許せない、私が殺してあげる”
と呟いていた。


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累 48話のネタバレ

「触れる」

舞台初日の二週間前。


野菊はニナの母から入手した鍵で、
累の不在中に部屋に侵入する。


ニナが寝ている部屋は施錠されていなかった。


野菊はニナが寝ている部屋を徹底的に調べるが、
口紅の手掛かりは見つけることができなかった。


累が帰ってくる時間が近づいてきたため、
野菊はニナに話しかけてから帰ろうとする。


ニナの母の事を話すと
ニナの指がかすかに動く。


しかし
指以外は全く動かなかった。


野菊は
“意識はあるが指しか動かせないのでは?”
と思い。


「はい」なら指を1回動かす。

「いいえ」なら指を2回動かす。

という方法で意思疎通を図ろうとニナに持ち掛ける。


“あなたは丹沢ニナですか”
というと
ニナは指を1回動かす。



“あなたは淵累ですか”
というと
ニナは指を2回動かす。


野菊はニナの意識がハッキリしていることを確信して、
意識があるのに身体を全く動かせないというニナの悲痛な状況に同情して涙を流す。


野菊はニナを解放してニナの母に会わせたいというが、
ニナは拒否する。


野菊は
“なぜ?”
と狼狽するが
「はい」「いいえ」
以外でニナは応えることができない。


時間が迫ってきたので野菊は仕方なく帰宅する。





野菊は天ヶ崎に
“会話の困難な状態の人間と話をする方法”
を尋ねると
天ヶ崎は
“口文字盤”
という方法を調べる。


その方法なら指を動かせれば意思疎通ができる。


野菊はニナに試してみると
意思疎通が可能だった。


ニナは
“母に知らせるな悲しむ”

“お願い私を殺して”
と自分の気持ちを伝える。


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累 49話のネタバレ

「白い記憶」

ニナは
“偽物は要らない”
という。


野菊が
“累の事?”
と追及すると
ニナは
“ころして”
としか言わなくなるため
その日は帰ることにする。


野菊はニナの母のことを想い
ニナを死なせたくはなかった。


しかし
ニナのいう通り現状を正確にニナの母に知らせると、
ニナの母が悲しむのはわかり切っていた。


野菊は累の演技を見ることで
ニナの言葉の意味を理解する。


“本物のハズのニナは、偽物の累を越えられない”
とニナ本人が理解しており
“偽物に劣る本当の自分を母に見せたくない”
のだと野菊は察する。


野菊はニナの胸中を理解して
累に対する嫌悪と憎悪を膨らませる。





累の舞台本番初日が終了直後に、
野菊は累が家に帰る前にニナの元を訪れる。


野菊は累の演技を目の当たりにしたことで覚悟が決まっていた。


ニナに
“あなたの望みを叶えに来たの”
という。


その前に
“ニナにとっての本物ってなに?”
と尋ねると
ニナは
“奇麗なまま誰かの記憶に”
という。


今の状態で
“丹沢ニナ”
が完全に世の中から消えればそれは実現可能だった。


野菊はニナに
“みんなあなたを忘れることは絶対にない”
という。


ニナは最後に
“あなたは悪くない”
と伝えると
野菊は泣きながらニナを窒息死させる。


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累 50話のネタバレ

「消失」

累は舞台初日終了後に
舞台に残って余韻に浸っていた。


雨野はそれを知っていたため
累を待っており激励しに来る。


雨野は
“ローラが累から抜けきっていない”
事に気付く。


雨野は累の演技を絶賛して
“俺ですらお前がニナであることを忘れる”
という。


累は雨野を役者として尊敬していた。


雨野は

・預言者

・死の眠りから覚めた高貴な身分な男

など
現実感のない役柄を見事に演じているのを、
観客として累は見ていた。


“演じるために生まれてきた人”
と累は雨野の才能に魅了されていた。


累は雨野との仲が深くなると
“まるであの頃(醜い顔で惨めな想いをしていた頃)がうそのよう”
と思い幸せで涙を流す。


羽生田は建物の外で累を待って行ったが
雨野と一緒に出てきたため気を聞かせて物陰に隠れる。


羽生田は累が順調にステップアップしているが
“イザナほどの執念があれば…”
とまだ物足りない様子。






累は自分の現状に満足しながら部屋に帰る。


既に
“ニナの顔”
が本当の自分であり、
口紅の効果が切れると
“ちょっと煩わしい”
と思う程度だった。


口紅の効果が切れたためニナの部屋に入りキスをすると、
ニナの唇の異様な冷たさに気付く。


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累 51話のネタバレ

「独白」

ニナは体は動かないが
意識はずっとハッキリとしていた。


身体が動かなくなってから5か月間は、
元々の症状で眠っていた。


目を覚ましてから累の声を聞いて
自分が飛び降り自殺を試みた事を思い出す。


“死のうとしたハズだったのに”
と生き延びてしまったことに絶望する。


累のニナに話しかける言葉やキスをして外出に行く様子から、
累の“丹沢ニナ”としての活躍が順調だということを察する。


叫び出して累に掴みかかりたいが、
指先をほんの少し動かせるだけだった。


それから
死よりも空虚な牢獄の日々が始まる。


累はニナによく話かけていた。


累の懺悔を聞いても
ニナの累に対する憎悪は消えなかった。


累と羽生田が言い争っていた日を境に、
累はニナに話しかけなくなる。


唇を通して
累が生き生きと成熟していくのを感じていた。


ニナは眠ることよりも
眠りから覚めることを恐怖するようになっていた。


“死にたい”
と死神が訪れる事を待ち望んでいた。


ある日
部屋に入ってきた気配が
累とも羽生田とも違うことに気付く。


指はほんの少し動くが
気配は帰ってしまう。


気配が再び訪れてニナに話しかける。


気配は

・寝ているのがニナであることを知っている

・ニナの母と面識がある

様子だった。


ニナは気配の主を
“私を救うために現れた死神”
と思う。


指先の動きに気付いてもらい
“野菊”
という名であることをしる。


ニナは野菊に死を望んで、
それを実現してくれたことに感謝する。


ニナは累に
“みんなの記憶に残るのはあなたと私で作った「丹沢ニナ」。決してあなたではない、あなたには何も残さない”
と思い
暗転が晴れてゆくのを感じる。


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累 52話のネタバレ

「幕切れ」

ニナが死亡してから1週間が経過していた。


“丹沢ニナ”
は世間では失踪扱いになっている。


累は地方に部屋を借りて身を潜めていた。





1週間前


累はニナの死を羽生田に伝える。


羽生田は透世の話だと
“死んでから顔を交換できるのは5日程、制限時間はどんどん減っていく”
という。


累は
“母も死んだ相手の顔を奪ったの?”
と追及するが
羽生田は今は死んだニナの対応を優先だという。


累は気が滅入って弱気になっているが
羽生田は
“あとたった3日で丹沢ニナという女一人を消すシナリオを考えなくてはいけない”
という。


羽生田は
“ニナの意思で姿を消した”
と思わせる作戦を考える。


累はニナに最後のキスをして
“あなたは美しいまま姿を消す。醜い嘘は誰にも知られることはない”
と泣きながらいう。


羽生田は遺体を埋めにいき、
その間に累はニナとして足跡を残すことにする。


累は遺体が埋められる場所とはかけ離れた場所に行き、
母に電話をする。


“しばらく遠くへ行く、ママもパパも大好き”
と一方的に言って
携帯を破壊して湖に棄てる。


6時間ほどしかたっていないのに顔は元に戻っていた。


累はほとぼりが冷めるまで身をひそめる。


ニナの失踪はニュースで報道されて
“一緒に住んでいた植物状態の女も消えた”
ことも報道されている。


植物状態では参考人になる可能性は低い上に、
累の叔母が失踪願を出すハズもなかった。





野菊はニナに対して
累を自分とニナ以上に苦しい地獄に落すと決意する。


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累 53話のネタバレ

「どん底」

累が潜伏してから1か月が経過していた。


羽生田が累を訪れると
飲めない酒を飲んで俳優としてのトレーニングもしていなかったことに気付く。


羽生田は
“才能も口紅も残っている”
と次の顔を探すことを示唆するが
累は
“口紅の力なんてもうたくさん”
と顔を入れ替えた相手を再度死なせてしまうことを恐怖する。


羽生田が帰った後、
累は一人で外出する。


ニナの顔に慣れ切った累にとって
自分の顔で外出することは以前にもまして苦痛と恐怖を感じた。


世界から
“醜いお前に生きている価値は無い”
と言われているように感じる。


醜い顔の累には世界のどこにも居場所がなかった。


ふと
目の前に街灯に身を焼かれて落ちてきた蛾を目にする。


白くて大きな奇麗な羽をしていた。


累は
“幼虫の時は醜くくても、成長すれば美しい姿で死ねていいわね…”
と思う。


ニナの顔をしているときに
“光”
を知ってしまった累は
既に後戻りはできないことを自覚する。


“生きる最期のその瞬間まで、光の中で美しく在りたい”
と思い
自分の母と同じ顔をした野菊を思い出す。


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累 6巻の感想

ニナの状態を知ったときに
ブリーチに出てくる涅マユリの“超人薬”を思い出しました。


ニナの状況はかなり恐ろしいですね。


“超人薬”
を喰らったザエルアポロもニナと同様に
「殺してくれ」
と思っていました。


寝ているだけでかゆい場所もかけないって
真綿で首を絞めるような拷問に近いと思います。





累のクズっぷりも良かったです。


天ヶ崎に落とし物を拾ってもらい親切にしてもらったのにも関わらず、
醜い容姿の天ヶ崎を自然と見下して嫌悪しています。


「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
という諺があるように、
“本当は醜い自分の黒歴史”
を完全に記憶から消去しています。


本来の累は雨野ではなく
天ヶ崎と釣り合うような女です。


ニナの顔を上手く活かせるだけで
ニナの顔は累にとっては借り物でしかありません。


そのことを完全に忘れて
人生で頂点の時にニナの死を知ったのは絶妙のタイミングですね。


累は自分に合った仕事があり、
同じ志を持った恋人もいて超リア充になっていました。


一気に夢から醒めて現実に戻ったときの心境は
“ねぇ今どんな気持ち”
と本人に訊いてみたいです。






羽生田的には夜神ライトのように
“思い通り”
とほくそ笑んでいるのかもしれません。


羽生田は累とイザナを比較して
“イザナほどの執念が累にあれば…”
と思っています。


ニナを失って夢から醒めた累には
“イザナほどの執念”
が宿っていると思います。


そして
累は親友だったはずの野菊を思い浮かべています。


累は羽生田と野菊の顔を奪う作戦を立てるかもしれません。


もちろん
全てを知っている野菊が大人しく顔を奪われるハズもありません。


どんな戦いが繰り広げられるか楽しみです。


もしかしたら
デスノートばりの頭脳戦かもしれませんね…


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