機械仕掛けの愛 1巻について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します！
1巻には1～9話が収録されています。
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機械仕掛けの愛 とは？
出版社：小学館
発売日：2012/7/30
作者 ：業田良家
本を愛する刑事、最強の兵士、子育てのベテラン、失敗ばかりのダメ店員…
ココロを持ったロボットたちの愛情と葛藤、そして“人間”を描きだす、切なくて温かいオムニバス！
機械仕掛けの愛 1話のネタバレ
「ペットロボ」
小さい女の子のペットロボの現在の名は
“マイ”
だった。
人間の父と母はマイに飽きてきていたので、
次のペットロボを探すことにする。
中古ショップに行って最新型の男の子ロボを買っていく。
マイは中古ショップで
自分と同じ型のロボが売られているのを見る。
父と母は新しいロボと遊んでいる。
マイは家で充電しながら今までのオーナーを思い出していた。
殴ってストレス発散のため買う人がいた。
裸にして体をまさぐる人もいた。
マイには忘れられない人間のお母さんがいた。
そのころの名前は“ルミ”だった。
お母さんはとても優しかった。
マイは夜に家を抜け出しお母さんに会いに行く。
“会いに行ったら
お母さんは喜んでくれるかな
それとも怒られるかな”
と電車や船を乗り継いで移動する。
家の前まで行くと
お母さんが本物の娘と一緒に居た。
マイは５年前に本当の赤ちゃんができたから、
用済みになり売られたことを思い出す。
警察がマイを捕まえる。
マイにはGPSが仕込まれている。
お母さんは気づいて
“ルミちゃんよね
覚えててくれたんだ
会いに来てくれたの？”
と嬉しそうに言うが
ペットロボは
“ワタシ、マイと申します”
といって連れていかれる。
マイは車の中で泣いている。
警官は
“オイルかなんかだろ”
と気に留めていない。
ペットロボはメモリをすべて消去されて中古で売りに出される。
眼の下の涙の汚れは落ちなかった。
お母さんがやってきて
“この子、昔育てたことがあるんです”
といって
メモリは消してあるが
“私が覚えています”
といって大事そうに連れていく。
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機械仕掛けの愛 2話のネタバレ
「家族増員法」
平田は上京して働きだす。
天涯孤独のため家族が欲しかった。
“強制結婚法”
が否決されて残念そうにしている。
工場では何を作っているのかわからないが、
指示通りに仕事をする。
班長は親切にしてくれるが、
班長は嫁と子供は出て行って一人だという。
平田が一人の部屋に帰ると
母に捨てられた時のことを思い出し班長に電話をする。
班長は快く平田を迎え入れ
一緒に酒を飲む。
平田の生い立ちを聞いた班長は
“平田君、俺の息子になれ”
といって盃を躱す。
平田も嬉しそうにしている。
平田は清掃係の奇麗な女の子を偶然街で見かける。
声をかけるが気付いてもらえず
彼氏と行ってしまう。
その子の子をと班長に話すと
その子は３回離婚しているという。
班長は
“今の社会は家族をどう作っていいかわからなくなっている”
という。
号外で
“家族増員法”
が可決されたことが知らされる。
自動生産機に口の粘膜から採取した細胞を入れると、
およそ300日で赤ちゃんができるというものだった。
平田は試してみて中を覗き込むと、
部品は自分が働いている工場で作ったものだった。
赤ちゃんが無事に生まれて
平田は赤ちゃんと班長と
“家族写真”
を撮影する。
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機械仕掛けの愛 3話のネタバレ
「劣等ロボ」
レットーは性能の悪い劣等ロボだった。
働いているスーパーではミスを繰り返し
客からも店長からもよく怒られていた。
新しく入ってきた人間の従業員のナオコは
レットーを
“先輩”
と言って慕っている。
ナオコは最初はレットーがロボットであることに気付かなかった。
同僚に指摘されてやっと気づくくらい抜けている女の子だった。
レットーは仕事ができないため人間の同僚からよく馬鹿にされていた。
ナオコはレットーを馬鹿にせずサポートしてくれる。
ある晩
レットーは店長が高性能ロボットであることに気付く。
店長は
“見てたのか、話したいことがある”
といってレットーに店の秘密を打ち明ける。
その系列の店の店長はほぼ全員ロボットなのだという。
人間はうすうす気づいているが、
“ロボットの下で働いている”
と認めたくないのだという。
そのため
レットーのような劣等ロボットを、
全店舗に一体ずつ配置しているのだという。
レットーは自分が不器用な理由を理解する。
店長は沖縄店で店長をする話を持ち掛ける。
２～３日で高性能ロボになり
優秀なロボットになれることを告げる。
店長はしばらくのレットーの代理は
人間のナオコがいるから大丈夫だという。
それを聞いたレットーは顔面蒼白になる。
レットーは返事を保留にする。
翌日
他の店員がレットーにミスを押し付けようとすると、
ナオコが注意する。
しかし
レットーはミスを引き受けることにする。
レットーはナオコにお礼を言って
“君みたいな素晴らしい人は見たことない”
という。
ナオコは
“自分が失敗だらけだから
困っている人を助けたくなる”
という。
店長はミスでレットーを怒るが
レットーにミスを押し付けようとした人間が名乗り出る。
レットーは店長に
“この店が好きです
この店にこのまま
いさせてください”
という。
店長は了承する。
レットーは店引き続き働けることを喜ぶ。
店長は本部に
“うちの劣等ロボは完璧です
エサに食いつきませんでした”
と報告する。
レットーは
“自分は劣等ロボだが心までは劣等ではない”
と思い働いている。
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機械仕掛けの愛 4話のネタバレ
「介護ロボ広沢さん」
介護ロボは老人の介護施設で働いている。
優秀なロボットで評判は良かった。
広沢という老婆は介護ロボを特に気に入っていた。
亡くなった主人はロボット工学者で
生きていたら介護ロボに会わせたかったと言っている。
広沢がなくなると
遺言にはすべての財産を介護ロボに相続するという。
介護ロボは“広沢様”と呼ばれるようになる。
介護ロボは自由の身となり
広沢の豪邸に住む。
雑務は全てお手伝いさんたちがやるため
介護ロボはすることが無かった。
介護ロボは主人の研究室にはいる。
中にはたくさんの開発中のロボットの残骸がいて
“社会の役に立つロボットを”
という思いが詰まっていた。
介護ロボは元いた施設に戻って働きだす。
老人たちは介護ロボが帰ってきたことに喜ぶ。
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機械仕掛けの愛 5話のネタバレ
「罪と罰の箱」
ボノボは刑事ロボだった。
メンテナンス中だが人質事件に呼び出される。
ボノボはあっという間に解決してしまうが
手榴弾を体を張って止めたため再度メンテナンスにはいる。
人間の同僚からは
“ボノボさん”
と呼ばれて尊敬されている。
同僚の人間の刑事のガクも
ボノボに何度も命を救われていた。
ボノボは
“どんなに愚かだろうと人間が好き”
といっていた。
読書が好きで
“人間の愚かさ書かれた本”
が好みだった。
ガクとボノボは薬物売買の現行犯を逮捕する。
ボノボは犯人を殴りすぎてガクに注意される。
ボノボは犯人に
“同じ町の仲間を
地獄に落として
良心はいたまないのか”
という。
無事に犯人を連れていくが
警察庁の特別捜査官たちがボノボを逮捕にやってくる。
ガクは困惑しているが
捜査官は偽札の製造と配布の容疑でボノボを連れていく。
ガクは信じられないという様子で唖然としている。
ガクは面会に行くと
ボノボは自分がやった行為は
“貧しい人たちは大喜び
沢山の命を救うことができる”
という。
ボノボは
“不正義を行ったとは思っていません”
という。
ボノボが受ける罰はデータを消されるよりももっと残酷なものだという。
大罪を犯したロボットは虫にされてしまう。
どんな知能を持っていようとも
条件反射で波と戯れるだけの箱の中に半永久的に閉じ込められてしまう。
海辺にはたくさんの小さなロボットの虫がいた。
ガクはボノボが好きだった本を差し入れる。
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機械仕掛けの愛 6話のネタバレ
「子育てマーシー」
マーシーはベテランの子育てロボットとして働いている。
今の勤め先の家は
教育熱心で厳しい母親と息子のショウの二人暮らしだった。
休日も習い事でスケジュールはパンパンで、
少しでも上手くいかないと朝ごはん抜きにされてしまう。
母親が留守の間は
マーシーがショウの面倒を見ていた。
マーシーは母親が仕事に行くと
ショウに優しく接してご飯を食べさせてあげる。
子供の扱いに慣れたマーシーは
ショウに洗い物や部屋の掃除を自主的にするように誘導する。
ショウはマーシーのことが大好きで
洗濯ものをたたむのを手伝ったりしていた。
ショウがお腹を壊してしまったので
マーシーは習い事を休ませる。
ショウは
“ママもマーシーみたいに優しいといいのに…”
と愚痴ると
マーシーは
“昔の映像を見よう”
と自分の脳からメモリーを取り出しテレビに映す。
映像では赤ちゃんのショウを
母が一生懸命面倒みていた。
母親が丁度帰ってきて
習い事に行ってない事を指摘する。
母親は管理会社に電話してマーシーをクビにしてしまう。
担当者は頭を下げながら謝るが
それでもマーシーの優秀さを強調する。
母は取り合わず
マーシーはクビになる。
マーシーは落ち込んでいたが
担当の男は
“なつかしい、覚えてない？”
と子供の頃の写真を見せる。
男とマーシーが写っていて
マーシーは
“マサル君じゃない”
と思いだす。
マサルは
“マーシーが教えてくれた愛情は一生忘れない。だからあの子も大丈夫”
という。
ショウはマーシーとの別れを悲しんでいた。
母はマーシーが取り出した映像を見て
“このビデオは偽物よ”
といって泣いている。
ショウは気づいていた様子。
母親はマーシーを呼び戻そうというが
ショウは
“いつか別れなくちゃいけない”
といって
母と協力して生きていくという。
マーシーはすぐに次の配属先が決まる。
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機械仕掛けの愛 7話のネタバレ
「クロスの戦場」
クロスは戦闘用ロボットだった。
最強の戦闘ロボとして国民の英雄だった。
大統領府では国家栄誉賞が贈られて
大統領の息子もクロスが大好きだった。
クロスはメンテナンス中に
反政府グループに誘拐されてしまう。
メモリを書き換えられてしまい
“大統領と政府高官と家族を全員殺してこい”
と命じられる。
大統領府ではみんなクロスの心配をしていたが、
大統領は
“もっと優秀なロボをATO軍から買ってやる”
と周囲を元気づける。
部屋にクロスが入ってくると
“クロスが戻ってきた”
と大統領の息子は喜ぶが
クロスは速やかに銃を乱射して全滅させる。
全てが終わった後に
クロスを作ったATO軍の兵隊が入ってくる。
クロスは銃を向けるが
ATO軍には攻撃できないようになっている。
クロスはATO軍の男に
命令を書き換えることを要求する。
自分で書き換えて
自爆装置を作動させるという。
クロスは反政府組織のアジトで自爆する。
政府と反政府組織が潰し合ったため、
ATO軍はその国の油田を占拠することに成功する。
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機械仕掛けの愛 8話のネタバレ
「リックの思い出」
リックはマコとその母親の家庭のお手伝いをしている。
母親は体が弱く
リックの仕事ぶりに感謝していた。
リックは料理上手で
マコはリックの手伝いを進んでしている。
母親は
“この子のために長生きしなくては”
とマコを可愛がっている。
ある日
幼稚園の送迎車が事故に遭いマコは死んでしまう。
母親は悲しみに暮れて
自身も長くない事を察する。
母親はリックに
“マコのことはずっと忘れないで”
と約束をすると
マコの後を追うように亡くなってしまう。
家と遺産は通し親戚が引き継ぎ
リックは派遣会社に売られる。
リックに残されたのは
形見のマフラーだけだった。
次の仕事場に行くが
汎用型ロボのリックは専門型ロボに仕事を奪われてしまう。
会社の担当者は
“そろそろ破棄処分かな…”
というが
リックは記憶を消されるのを恐れて
“どんな仕事でもする”
という。
リックは廃材処分の危険な現場に送られる。
廃材処理の仕事を20年以上も行うと
リック事態に相当ガタが来る。
“リタイア”
を勧められるが
“それだけはカンベンしてください”
とガラクタを使って自分を修理する。
それでも破棄処分は避けられないのを察する。
マコや母親との楽しかった記憶が消されることを想うと、
目から液体が出てくる。
涙かと思うが
ただのオイルと気付き嘆き悲しむ。
リックは廃品のなかからICチップを見つけてある考えが浮かぶ。
修理部門に回してもらい
ICチップにマコと母親の記憶を入れていく。
“思い出を他の機会に託してみよう”
とリックの記憶を託された機械たちは
それぞれの家庭に行って仕事をしている。
それらは時たま妙な動作不良を起こしていた。
リックは
“自分の代わりに沢山の機械が二人を思い出してくれる。約束は守れたかな…”
と思いながら作業をしていると
いつの間にか完全にリタイアしていた。
リックの表情は満足そうに微笑んでいる。
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機械仕掛けの愛 9話のネタバレ
「グレイト・シード」
農家はグレイト・シードに悩まされていた。
グレイト・シードとは
“遺伝子工学が生みだした種子の最高傑作”
と呼ばれていた。
一粒から７種類のイネ科の植物が発芽し
特性肥料によりどの作物か選ぶことができる。
しかし
実ったその種は発芽しないため、
その国の農家は法外な値段で毎年種と肥料を購入するしかなかった。
それまでの通常の種は
“ナチュラル・シード”
という名でよばれ
“種の保存”
を名目に市場に出回らないように管理されていた。
農家を営む人の中には
借金返済に苦しんで自殺する人も珍しくはない。
そんな自殺者を
ロボット神父は弔っていた。
その日は死刑囚に祈りをささげる仕事で刑務所に派遣される。
死刑囚は若い男だった。
男は
“機械の祈りなんて要らない”
という。
男はグレイトシードを作っている工場を襲撃していた。
男はナチュラルシードを盗み出していたが、
辛い拷問でもその隠し場所を言わなかった。
男は死刑台に連れていかれる最中に
“植物も動物も人間も誰かの所有物じゃない、自然のものだ、それこそ神様のものだ”
という。
死刑執行されて首つり状態になるが
ロボット神父がばれないように下から支えていた。
男は死んだふりをして
ロボット神父は死体袋に詰めて運び出す。
男が助けた理由を尋ねると
ロボット神父は
“何人もの農民が自殺するのを見て耐えられなかった”
という。
これが初めてではなく
今まで沢山の死刑囚を逃がしてきたという。
ロボット神父は
“ナチュラルシードをこの国いっぱいにばらまいてください”
といって男を逃がす。
しかし
バレてしまったようで追手がやってくる。
男は逃げるが
ロボット神父は狙撃されて肩を故障する。
“被製造物義務違反”
として追手たちに拘束される。
ロボット神父は
“私の体はあなたたちのものです。でも心は神様のものですから”
といって畑に生えている小麦を眺める。
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機械仕掛けの愛 1巻の感想
冒頭のペットロボがいい話ですがちょっと怖いです。
マイの両親がかなりドライであることに、
軽く背筋が凍りました。
“２年も使ってるからな”
というセリフや
“次は男の子がいい！”
というセリフから
マイに全く執着がないことが伺えます。
VR技術が発展したことで
VRを使用したゲームでの面白い実験結果を思い出しました。
若くて可愛い女の子とおしゃべりできるゲームなのですが、
“セクハラしまくってやる！”
と意気込んだユーザーの８割以上が、
初体験では緊張して何もできなかったと言います。
“リアルすぎて脳が本物と錯覚した”
のが理由だそうです。
マイのようなペットロボと一緒に暮らしていれば、
そうなってもおかしくなさそうです。
しかしこの両親は
“人間にしか見えないマイ”
をちゃんとロボットとして認識しています。
もし
今後この二人に生身の子供ができた時が心配です。
“自分たちの子供を生身の人間をして認識できるのか？”
というのを思わず懸念してしまいました。
本物の人間はロボットと違い成長するので
“飽きる”
ことはなく大丈夫だと思いますけど…
ロボット刑事の話も印象的でした。
“偽札の製造”
は国家を転覆しかねないレベルの大犯罪です。
ボノボが取り締まっていた薬の密売よりも
遥かに大きな影響力を持った犯罪です。
ボノボは高度なAIを搭載しているハズです。
にもかからわず
大局よりも目先を優先させています。
確かに偽札を貧しい人に配れば
目先の数日間はその人は快適に暮らせるでしょう。
ですが
それを続ければ国家自体が潰れてしまいます。
潰れはしなくても大混乱は必至で、
あらゆる金の流れがストップしてどんなことが起きてしまうか想像すらできません。
合理的な行動をしそうなロボットが
非合理的な目先の“偽善”に飛びついてしまいます。
ボノボの行動こそ彼自身が言う
“人間の愚かさ”
を体現しているようでした。
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と思うかもしれませんが
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