弟の夫 について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!

1巻には1~7話が収録されています。

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弟の夫 1巻とは?

出版社:双葉社
発売日:2015/5/25
作者 :田亀源五郎

ゲイアートの巨匠、田亀源五郎、初の一般誌連載作品。

弥一と夏菜、父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来た。

マイクは、弥一の双子の弟の結婚相手だった。

「パパに双子の弟がいたの?」

「男同士で結婚って出来るの?」

幼い夏菜は突如現れたカナダ人の“おじさん”に大興奮。

弥一と、“弟の夫”マイクの物語が始まる――。


弟の夫 1話のネタバレ
~黒船がやってきた!~

弥一は両親の葬式をしたときの夢を見ていた。


弟の涼二は泣いていたが、
弥一は泣いていない。


目を覚ますと娘の夏奈の朝食の用意をする。


夏奈の髪も結ってあげていつも通り送り出す。


弥一は何かを言おうとするが言えなかった。


夕方
大柄なカナダ人が家に訪れる。


マイクという男で
弥一を見ると涙ぐんで抱きしめてくる。


弥一が狼狽しているとマイクは
“ソーリー”
と言ってすぐにはなす。


マイクは
“アナタが涼二に似ていたからつい…”
という。


弥一はマイクを客間に案内してコーヒーを振舞う。


夏菜が帰ってきてマイクと軽く挨拶する。


弥一はマイクのことをどのように夏菜に説明しようか困っている様子だった。


マイクは
“私は夏菜ちゃんのオジサンです”
という。


夏菜が
“どゆこと?”
と怪訝な表情をするので
マイクはより詳しく
“カナダで夏菜ちゃんのパパの弟と結婚しました”
という。


夏菜は弥一に弟がいた事から驚く。


夏菜が
“男同士で結婚!?そんなことできるの?”
というと
弥一は
“できないよ”
といういが
マイクは
“できますよ”
というので夏菜は混乱する。


弥一は
“日本じゃできないけどよその国ならできることもある”
とややこしそうな表情で説明する。


夏菜は涼二の存在すら知らない様子のため
マイクが写真を取り出す。


涼二の写真を見ると
夏菜は
“パパそっくり”
と驚いていた。


しかし
どこか雰囲気は違う様子だった。


夏菜は
“全然知らなかった、今どこにいるの?”
というと
マイクは
“お空の上”
と寂しそうな表情になる。


弥一は
“死んだんだよ、先月”
という。


涼二は10年前に家を出ていた。


音沙汰なかったが
マイクと結婚して最近死亡していた。


弥一はマイクを見て
“今日初めて会う義弟とどう付き合えばいいんだ”
と途方に暮れていた。


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弟の夫 2話のネタバレ
~寿司の天ぷら~

夏菜は
“ウチに泊まるんでしょ”
というのでマイクを泊めることになる。


弥一は涼二の部屋に案内するとマイクは感謝していた。


マイクは
“日本オタク”
と涼二によくからかわれていたくらい日本が好きだった。


マイクは部屋で涼二のことを思い出していた。


晩御飯は寿司を御馳走すると、
マイクは寿司も緑茶も気に入っていた。


夏菜はマイクと打ち解けており
“カナダにもお寿司ある?”
と質問していた。


弥一はどのように接していいのかわからないままだった。


夏菜はマイクから話を聞いて
“パパ!テンプラがお寿司になってるんだって!変だよね”
という。


弥一は
“そりゃくってみないとわからないな…”
と咄嗟に答えると
“自分にとって男同士の結婚は【寿司のテンプラ】”
だと気付く。


味も喰い方も判らないということだった。


その日はマイクに一番風呂に入ってもらう。


弥一が一番最後に風呂に入りいつも通りパンツ一枚で出ていこうとすると
“この格好じゃマズいよな…”
と思い服をきる。


“考え過ぎ、自意識過剰”
と思うが
“どっちにしろ礼儀がある”
と言い聞かせていた。


夏菜がマイクの胸毛を興味深そうに触ってはしゃいでいたので
弥一は
“マイク、シャツ着て。夏菜もそろそろ寝る時間”
という。


弥一は
“やっぱり寿司のテンプラなんてロクでもない味がしそうな気がする”
と思う。


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弟の夫 3話のネタバレ
~メモリー~

翌日
弥一はいつもどおり夏菜を送り出す。


マイクが起きてくると朝食を用意する。


マイクの予定を聞くと
マイクは
“行きたい所いっぱいあります”
と楽しそうだった。


しかし
メモの内容を聞いてみると、
全てその町の中にある場所だった。


マイクは
“涼二からいっぱい話し聞きました、お兄さんと一緒に遊んだ楽しい話をいっぱい”
といって
日本に来たらその場所に行くと決めていたのだという。


弥一は涼二との思い出をすっかり忘れていたのを思い出す。


弥一は
“いつからだろう、涼二とあまり話さなくなったのは…”
と思いだそうとしていた。


マイクが行こうとしている場所は、
地元の人間しか知らないような場所だった。


弥一が案内できればいいのだが、
弥一はマイクを通して
“自分の知らない涼二”
を知るのが怖かった。


弥一は
“途中まで一緒に行こう”
とマイクを連れ出して不動産屋に行く。


不動産屋になら地元の詳しい地図があるという。


不動産屋に行く途中
弥一は自分のアパート経営の仕事を
“あまり褒められた話じゃない…”
という。


“親の遺した遺産で食っているようなもんだし…仕事って感じじゃないし…”
というが
マイクは
“夏菜ちゃんのパパ、毎日ご飯作って掃除して洗濯して、それ立派なお仕事”
という。


弥一は地図に自分の家と目的地に印をつける。


夏菜が帰ってくると
“マイクどこ?”
と気になっていた。


夏菜は無邪気に
“カナダ人のおじさんがいるなんて、なんかすごいし楽しい”
という。


弥一はそれを聞いて
“俺もそんな風に単純に考えればいいのかな”
と思う。


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弟の夫 4話のネタバレ
~チーズマカロニ~

マイクはその日の帰りは遅かった。


帰ってくると食料を買ってきて、その日のご飯は作るという。


マカロにとチーズを和えたものは美味しかった。


夏菜は
“マイク料理上手”
というが
その料理は得意じゃない人が作る料理なのだという。


夏菜は
“パパは料理得意なんだよ、何でも作れちゃう”
と誇らしそうにしている。


マイクは
“涼二も料理得意でした”
というと
弥一は意外そうな表情をする。


夏菜は
“どっち旦那さんでどっちが奥さんだったの?”
と不意に聞くので弥一は狼狽するが
マイクは
“奥さんいません、どっちもハズバンド(夫)”
と慣れた様子でこたえる。


“私のハズバンドは涼二、涼二のハズバンドが私”
というマイクに
夏菜は
“そっか!”
という。


弥一も夏菜も理解できた様子ではなくポカンとしていた。


弥一は昼間の散歩のことを聞くと
マイクは
“大イチョウありませんでした”
と残念そうにしていた。


弥一は何年か前に大きな銀杏の木が倒れたことを思い出す。


弥一はその木の近くで涼二と
“馬跳び”
“だるまさん転んだ”
をしたのを思い出す。


明日は土曜日なので
弥一と夏菜もマイクの散歩につき合うことになる。


その晩
“お互いがお互いの夫”
というマイクの言葉を思い出した弥一は
“目からウロコだ…俺は何も判っていなかった…”
としみじみと思う。


翌日
弥一が涼二との昔話を交えながらマイクを案内する。


夏菜は昔話のカエルの卵の話を聞いても、
楽しさを理解できない様子だった。


マイクは
“弥一さん田んぼに落ちたことあるでしょ…”
といって
涼二から聞いた弥一の失敗談を耳打ちする。


弥一はそれを聞いて
“じゃあ俺もあいつの恥ずかしい話教えてやる…”
と思いだそうとするが、
何も出てこなかった。


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弟の夫 5話のネタバレ
~シルエット~

3人は神社に行きお参りをする。


公園で休憩しながら、
その公園で遊んだことを思い出しながマイクに話す。


マイクが礼を言うと
弥一は
“色々思い出して懐かしかった、子供の頃は本当にいつも一緒だった”
と徐々に涼二のことを思い出した様子だった。


マイクは弥一が涼二のことを忘れていた理由を
“もしかして涼二のカミングアウトのせい?”
と自分にも身に覚えがあるかのように質問する。


弥一は図星をつかれたような表情で言葉に詰まり
“そんなことはないと思う…”
というが図星だった。


弥一は涼二がカミングアウトした時のことを思い出して話す。


両親が亡くなり二人はまだ高校生だった。


弥一は彼女ができて得意げに涼二に
“お前も早く彼女つくれよ”
というと
涼二は
“兄貴、俺さゲイだから”
といったのだという。


弥一は笑いながら
“そうなんだ”
としか言えなかったという。


弥一はその時のことを思い出し
“どう反応したらいいのかわからなかった”
と説明する。


その時のことについて
マイクは涼二から
“弥一さんは拒絶せずに何も言わず受け入れていた”
と聞いていた。


しかし
マイクによると涼二はそのことについて話すのは避けていたという。


それ以来
弥一と涼二には自然と何となく距離ができていた。


夏菜がマイクを呼ぶのでマイクはついていく。


弥一は近所の知り合いなに話しかけられる。


マイクのことを聞かれて
弥一は
“弟の…友人です”
とこたえる。


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弟の夫 6話のネタバレ
~涙~

翌日の日曜日
夏菜が昼に目を覚ますとマイクは外出していた。


マイクはその日はフェイスブックで知り合った友人に会いに行くため、
帰りは遅くなると言っていた。


それを聞いた夏菜は残念そうにしていた。


友人にマイクを紹介するつもりだった様子だった。


夏菜が友人たちに会いに行くと
友人たちも残念そうにしていた。


マイクの結婚のことを聞くと友人は
“女の人同士でも結婚できるのかな?”
と疑問を持つので
夏菜は
“聞いてみる”
と約束する。


友人は
“結婚ってのは愛し合ってるふたりがするもんなの”
と言っていた。


夏菜は夕ご飯の時に弥一に
“マイクと涼二さんは愛し合ってたから結婚したの?”
と聞いてみる。


弥一は
“パパにはわからないけどそうかもしれない、実はパパにもよくわからない”
というと
夏菜は
“なにそれ~”
と不服そうだった。


弥一は
“夏菜がもっと大人になったらなんとなくわかる感じになるかもな”
という。


夜遅くに玄関で物音がするので弥一は見に行く。


マイクは酔いつぶれて玄関で寝てしまっていた。


弥一はマイクに肩を貸して部屋に連れていく。


マイクは弥一を見ると
“リョージ”
といって抱き着いて押し倒してくる。


弥一は驚いてどかそうとするが
マイクは弥一の胸に顔を埋めながら英語で
“リョージ、なぜ死んだ。約束したじゃないか。ようやくこうして日本にこられたのに。何で君が一緒じゃないんだ”
と泣いていた。


弥一はマイクに
“誰だって辛いよな、好きな人を亡くすのは”
というと
マイクはいつの間にか眠っていた。


弥一は寝ているマイクに布団を被せながら、
両親が死んだときの話をする。


涼二は泣きっぱなしだったが、
弥一は泣けなかったのだという。


弥一は涼二を見て
“みっともない”
と思いつつも
“うらやましい”
とも思っていた。


涼二がカナダで死んだと聞いても実感が沸かずに泣けなかったという。


弥一は
“今までずっと泣けなかった”
といって障子を開けて月を見る。


月は涙で霞んで見えていた。


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弟の夫 7話のネタバレ
~ママ~

マイクは翌日二日酔いに苦しんでいた。


飲み過ぎて昨晩のことは何も覚えていないという。


弥一の勧めでその日はコーヒーを飲んでシャワーを浴びてもう一度寝ることにする。


マイクが目を覚ますと家には誰もいなかった。


家の中を弥一を探していると
若いころの弥一と奥さんと赤ちゃんの頃の夏菜の写真をみつける。


マイクが台所にいくと
置手紙とサンドイッチが置いてあった。


マイクがコーヒーとサンドイッチをいただいていると夏菜が帰ってくる。


マイクはメモを見せると
冷蔵庫にプリンがあるというので一緒に食べる。


夏菜は友人の疑問を思い出し
“カナダでは女同士でも結婚できるの?”
と聞くと
マイクは友人の女カップルの写真を見せてあげる。


その写真の真ん中には男の子がいた。


マイクは
“息子のアダム”
というと
夏菜は
“子供いるの!?じゃあママが二人?”
と驚いていた。


マイクは先ほど見た写真を思い出し
“ママがいなくて寂しい?”
と聞くと
夏菜は
“そんなことないよ、たまに会いたいと思う。でもこれパパには内緒だよ”
という。


弥一が帰ってくる音が聞こえると
夏菜はマイクに
“さっきのはなし絶対にパパには内緒だからね”
と念をおして迎えに行く。


夏菜の驚いた声が聞こえるので
マイクは見に行くと夏菜の母が夏菜を抱っこしていた。


夏菜は嬉しそうにしており
母は
“また大きくなったね”
と微笑んでいる。


マイクはポカンとした表情をしていた。


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弟の夫 1巻の感想

表紙や絵柄の印象と全然違った…!


柔和な絵柄や大柄な外国人のマイクの印象から、
もっとコミカルな内容かと想像していました。


ですが
実際はとても繊細に丁寧に人物描写をしており、
決して奇をてらったものではありません。


タイトルやマッチョな男二人が出てくることから、
際どい放送コードギリギリのギャグを期待して読み進めると面食らうことになります。
※私は面食らいました…


おそらく
沢山の色眼鏡をかけていた読者が、いい意味で期待を裏切られたと思います。





弥一と涼二の関係がかなりリアルで
“確かにそうなるかも…”
という感じでした。


話の様子から二人は一卵性の双子のようです。


生物学上は一卵性の双子は
“同一人物”
となります。


そんな
“自分と同じ人である涼二”
からゲイをカミングアウトされたらリアクションに困りまくりますよね…


“自分と同じ”
と思っていた人が
“実は全く違った”
と知ったときの心境は一卵性の双子にしかわからないと思います。


“親しい友人にゲイをカミングアウトされた”
とはまた違う状況です。


おそらく
親しい友人同士(男の場合)だとカミングアウト自体しないですよね…


男同士の場合はソレやった瞬間にどんなに親しい中でも友人関係は破綻します。


親しかった弥一と涼二が自然と疎遠になるのは自然な流れだと思います。





おそらく涼二とマイクは
そういう人達が集まるお店やコミュニティで出会ったのだと思います。


カナダのことは知りませんが、
新宿二丁目とは違った健全な雰囲気の出会いの場があるのかもしれません。


日本だとまだまだ理解は得られないし、私自身も目の前にそういう人がいたら理解できる気がしません。


この作品だと
その辺の繊細な問題を面白くだけど茶化さずに描くことができています。


タイトルだけで敬遠してしまう人もいると思いますが、
そうしてしまうのがもったいないくらいしっかりとした作品なので沢山の人に読んでもらいたいです。


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