乙女戦争 1巻について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!
1巻には1~5話が収録されています。
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乙女戦争 とは?
出版社:双葉社
発売日:2014/1/10
作者 :大西巷一
1420年、ボヘミア王国。
戦争により家族を虐殺された12歳の少女シャールカは、フス派義勇軍の英雄ヤン・ジシュカに導かれ、仲間たちと共に反カトリックの戦いに身を投じていく。
15世紀、中央ヨーロッパで起こり「宗教改革」の端緒となった「フス戦争」をモチーフに、少女の視点で、史実に基づいた凄惨な戦争を描く歴史巨編!!
乙女戦争 1話のネタバレ
「笛と少女」
シャールカの村は異教徒狩りで一方的な蹂躙を受ける。
シャールカは敵の騎士団長に犯されてしまう。
目を覚ますと裸で下腹部に激痛が走り血だらけだった。
同じ目に遭った村娘の死体が沢山転がっていた。
外に出ると大木に大量の村人が首をつられていた。
シャールカだけが唯一の生き残りだった。
服を着て満身創痍で歩いていると途中で倒れてしまう。
シャールカを拾ったのが
フス派義勇軍の英雄ジシュカが率いる
“トロツノフの隻眼巨人隊”
だった。
ジシュカはシャールカに傭兵にならないか勧誘すると、
シャールカは
“やります”
と即答する。
ジシュカは
“笛”
を授ける。
笛とは大砲を可能な限り小さくしたものだった。
弓やよりも射程距離は短く、
剣と違い火薬が必要だった。
しかし
女子供でも扱える簡単なモノで軽かった。
笛を作った少年のカレルが使い方を指南する。
味方は笛に懐疑的だったが、
ジシュカは笛が戦争を変えると確信している。
シャールカはジシュカの言いつけ通り、
持久力を鍛えるため走る訓練もしていた。
カレルはシャールカに好感を持ち、
訓練のし過ぎで身体の心配もしていた。
隻眼巨人隊が行きついた村も、
シャールカがいた村と同様に異端狩りにあっていた。
生き残った老婆は隻眼巨人隊を出迎えて、
軍はすでに次の村を襲いに行ったという。
ジシュカは不穏な気配に気付き、
老婆の言う通りに次の村に行くフリをする。
シャールカは自分の村の惨状を思い出し気が滅入っていた。
カレルがシャールカに付き添う。
ジシュカは老婆に二人を安全な場所に連れていくように指示して、
二人を置いていく。
泣いているシャールカに
カレルはプロポーズをする。
シャールカは照れながら承諾する。
ジシュカの勘は当たっていた。
老婆は軍が村に潜んでいるが、
人質を取られていたためジシュカに嘘をついていた。
老婆は騎士に無残に殺されてしまう。
騎士たちは
“ジシュカたちの背後を取れる”
と戦いの段々を立てている。
騎士団長はシャールカを犯した男だった。
カレルは隠れながら
“みんなに知らせないと”
と思っていると
シャールカが笛を構えて飛び出してしまう。
甲冑をまとった敵の騎士は、
笛がなんだかわからずにシャールカを殺そうとしてゆっくりと剣を振りかぶる。
シャールカは怯えて動けない。
カレルが笛を使って騎士を一人殺してその隙に二人は走って逃げる。
カレルは背後から矢で撃ち抜かれてしまう。
カレルはシャールカだけでも逃がそうとする。
シャールカが
“すぐ戻る、待ってて”
といって充分距離を取ったのを確認して、
持っていた火薬を爆発させて付近にいた敵を巻き込む。
カレルの自爆を見たシャールカは泣きながら逃げていく。
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乙女戦争 2話のネタバレ
「戦士の条件」
騎士たちは馬で追ってきて
すぐにシャールカを取り囲む。
シャールカは火が無くなってしまったので、
ナイフで火の粉を起こして笛を発射する。
騎士の防具にはじかれてしまうが、
馬が驚いて制御不能になったためその隙に逃げる。
追いつかれる寸前にヴラスタに保護される。
ヴラスタはシャールカと一緒に地面に伏せている。
ジシュカが馬車を使って陣形を組み、
騎士たちを万全の状態で待ち受けていた。
馬車を盾のようにして、
その隙間から大砲と弓矢で一斉攻撃する。
ヴラスタはシャールカを馬車に連れていき待機させる。
仲間たちはシャールカに
“よくやった”
と賛辞を送りあとは任せるようにいう。
ジシュカの作戦は成功したが、
敵の騎士団長が力技で突破してくる。
騎士団長はシャールカを見て思い出し
“もう一度…”
と言いかけるがヴラスタが一騎打ちを仕掛ける。
ヴラスタは自分より大きな相手と対等に戦っている。
シャールカは感心してみているが、
ジシュカはヴラスタより強い戦士が死ぬのを何人も見てきたという。
敵の騎士団長は余力がありそうだが、
ヴラスタは精一杯の様だった。
シャールカは敵の腕を笛で打ち抜き勝敗が決する。
敵側は飛び道具での不意打ちを主張して、
捕虜になり命乞いをするがジシュカは受け入れなかった。
荷車に繋いで死ぬまで引きずることになる。
シャールカは隻眼巨人隊に来て初めてぐっすりと眠る。
フス派とカトリック派の対立が激化し、
ボヘミア王国は内戦状態に陥っていた。
ローマ教皇のマルティネス5世は、
フス派を殲滅し十字軍の権威を高めるチャンスだと認識している。
ローマ皇帝のジギスムントは妻の不倫を許して、
妻の所有している“ドラゴン騎士団”を招集する。
ローマ皇帝はフスを騙し打ちで焼き殺した調本人だった。
ローマ皇帝もフス派の討伐に勢力を投じようとしている。
ジシュカなどのフス派の戦士たちは、
全キリスト教世界を敵に回すことになっていた。
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乙女戦争 3話のネタバレ
「祈りの山」
シャールカは戦闘で初めて笛で敵を撃ち殺す。
フス派の“山”に向かう道中だった。
“山”は天然の要塞となっており、
到着すれば一息つけるという。
“山”をおさめている僧侶のミクラーシュと、
ジシュカは古い仲間だった。
隻眼巨人隊はつくと歓迎される。
ジシュカは壁を作ることに難攻不落になることを指摘する。
ミクラーシュは
“こんな貧しい村を襲っても奪うものは無い”
というが
ジシュカは
“異端者の首がやまほどある”
という。
ジシュカは笛の実演をしようと
人を集めてシャールカに撃つように指示する。
ジシュカは笛が少女でも扱えることを実演したかったが、
シャールカは先ほど撃ち殺した男を思い出し気を失ってしまう。
シャールカが目を覚ますと、
二人の少女が部屋にいた。
二人はターニャ、ガブリエラと自己紹介して山の案内をする。
ミクラーシュは仕事をしていた。
シャールカは自分の身の上と、
先ほど殺した男のことを話す。
ミクラーシュはシャールカに
自分がフスと会った時のことを話す。
ミクラーシュも同じようなことで苦しんでいたが、
フスのおかげで救われたという。
ミクラーシュは自分たちと一緒に罪が許されるように祈ろうという。
ターニャとガブリエラも
シャールカが許されるように祈る。
ジシュカたちはシャールカが気絶して山の探索をしていいる間に、
十字軍に襲撃されて連れていかれた娘たちを助け出していた。
助けられた人たちを山は受け入れる。
ジシュカはミクラーシュに十字軍は山にも来ると警告する。
十字軍はフス派を根絶やしにするつもりだという。
山の人達は不安になっているが、
ジシュカは自分が最強の軍隊にして見せるという。
しかし
ガブリエラは
“予言の日が来るから武器は必要ない”
という。
予言の日は3日後だというが、
ミクラーシュは明日かもしれないし100年後かもしれないという。
山の住民たちは
“祈り続けば何とかなる”
と思っている。
ジシュカの仲間の男は
“あんな連中あてにならないといっただろ”
というが
ジシュカは
“期待通り、いやそれ以上だ”
とほくそ笑んでいる。
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乙女戦争 4話のネタバレ
「至福の千年王国」
シャールカはガブリエラに字を教わり、
笛にカレルの文字を刻む。
シャールカはまた人を殺すかもしれないかのせいを懸念する。
ターニャは
“仕方ない”
というが
ガブリエラは
“殺すのはダメ”
という。
話を聞いていたミクラーシュは
“難しい問題”
といって争いの無い世界が訪れるように祈ろうという。
皇帝はドラゴンの騎士団を招集していた。
プラハを陥落して、
王国中のフス派の異端者を皆殺しにすると宣言する。
皇帝によると
戦いは一月ほどで終わるという。
ジシュカはミクラーシュと人気のない崖で話し合う。
ミクラーシュはシャールカを見た事で、
ジシュカが作ろうとしている理想の軍を“山”の住民で作るつもりだと見抜く。
ジシュカは
“自分以外の何かのために命を投げ出せる兵士”
が欲しいという。
ミクラーシュは山の人たちは争いを避けるために来たというが、
ジシュカはフスの死に様を思い出させる。
それでもミクラーシュは、
山の住民を戦わせるのに反対だった。
ジシュカは仕方なくミクラーシュを殺害する。
シャールカがその様子を目撃していて、
死にかけているミクラーシュに駆け寄る。
ジシュカはシャールカを口封じで殺そうとするが、
ミクラーシュはジシュカに
“あなたを許します”
という。
シャールカはミクラーシュに
“わたしやっぱり強くなりたい、だからごめんなさい”
と泣きながら言う。
ミクラーシュは最後にシャールカに
“オヤジさんをたのみます”
という。
ジシュカとシャールカは
ミクラーシュの死体が見つからないように森の中に埋める。
ジシュカは崖の上から
ミクラーシュの声色を真似して山の住民に語り掛ける。
そっくりな声と靄で良く見えない事があり、
住民はミクラーシュだと信じ込む。
ジシュカは住民に
“神の戦士と生まれ変わるべし”
という。
住民は驚いているが
ジシュカはシャールカを前に出させて
“この娘こそ神が遣わした戦いの天使なり”
という。
“山”の住民は戦士へと変容していた。
異様な戦意の高さで騎士たちを圧倒する。
逃げていく騎士たちは
女たちの笛の一斉射撃で駆逐する。
初戦闘は勝利となり、
山の住民たちは興奮している。
女たちは笛を授けたジシュカに感謝している。
ガブリエラだけは
ミクラーシュの死と真相を知っていたが黙っている。
山の住民たちは
シャールカを偶像扱いするが、
ガブリエラは
“聖書の教えを忘れたの”
と注意する。
ガブリエラはシャールカにも
“しっかりしなきゃ”
と注意するが
“ごめんね”
と恥じらうシャールカの美しさに見とれてしまう。
他の“山”の説得も成功しているようで、
ジシュカの思惑通りどんどん人数が増える。
北部国境地帯では
ドイツ騎士団が村を助けに来る。
住民たちはフス派に村を追われたという。
騎士団長のヴィルヘルムはフス派の蛮行に心を痛めて、
撃ち滅ぼすと宣言する。
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乙女戦争 5話のネタバレ
「汝ら神の戦士なり」
隻眼巨人隊は行軍している。
シャールカたちは歌の練習をしていた。
プロコプという説教師が聖歌隊を編成しているためだった。
古株たちは
“戦争中”
と言って嫌がるが
ジシュカは戦意の高揚につながると思い
“面白い”
といって推奨する。
プロコプは子供と女性を集めて
“歌うことで神様とひとつになれる”
という。
話を聞いた女性たちは
“私たちも天使になれる”
と高揚する。
聖歌隊のモチベーションは上がり、
歌もどんどん向上していく。
プロコプは新しい歌詞をガブリエラに依頼する。
ドイツ騎士団の団長ヴィルヘルムは戦争の実態を目の当たりにしていた。
十字軍の兵士たちは
“罪の赦しを貰える”
と占領した村でやりたい放題していた。
ヴィルヘルムは止めようとするが、
仲間割れと懸念したギュンターという老人が必死に制止する。
ギュンターは
“十字軍とはいえこれも戦争”
といって
ドイツ騎士団再興のため我慢するように懇願する。
隻眼巨人隊は十字軍が蹂躙していった村に入っていく。
水ぶくれした大量の死体や腐臭に逃げ出す者もいた。
手分けして生存者を探すが
悲惨に弄ばれてた死体しか出てこない。
ジシュカは指示を出しているが、
ヴラスタは脱走者を懸念している。
ジシュカは脱走者は想定していた様子で、
動揺していない。
“あれを使ってみるか”
と楽しみにしている。
ジシュカはみんなを集めて
聖歌隊に
“鎮魂のミサ”
をしてもらうことにする。
古株たちは囃し立てているが
プロコプは構わずに指揮をする。
シャールカたち聖歌隊は歌いだす。
見事な歌声と歌詞に涙を流す者もいる。
ジシュカとヴラスタは
“期待通り”
と嬉しそうにしている。
歌はみんなに広まり、
行軍中も口ずさむ。
歌のおかげで戦意高揚していたが、
辿り着いたプラハにいる十字軍の多さに圧倒される。
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乙女戦争 1巻の感想
平和な時代に生まれてありがたいとしみじみ思いました。
この作品にかなり近い実写ドラマで
“ゲーム・オブ・スローン”
という作品があります。
ファンタジーも織り交じった作品ですが、
服装や甲冑や、登場人物が理不尽にガンガン死んでいくところなどそっくりです。
この作品に魅力を感じた人とは相性がいいと思うので、
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笛の正式名称は
“ピーシュチャラ”
と言って
“ピストル”
の語源だそうです。
現代で言う
“マスケット銃”
が笛に該当するそうです。
笛を実践で使用しだしたのも、
史実通りジシュカの率いる団らしいです。
“必殺武器”
ではなくあくまでも
“補助用”
で原作でもそのように再現されています。
おそらくは訓練とチームワークが相当大事なんだと思います。
“ラストサムライ”
だと、鉄砲をもっていたからといってすぐに実践で大活躍はしていませんでした。
歴戦の軍隊の指揮の高さに圧倒されて、
最初は鉄砲隊はボロ負けしています。
しっかり数カ月の訓練を積んでからは力関係は逆転してますけど…
この作品では笛は
“勝ち戦のダメ出し”
として
“女にも戦場の経験を積ませるための道具”
として使われていました。
この世界観だと笛を使えるからと言って、
戦場を支配できるわけではないようです。
となると
隻眼巨人隊の戦力はまだまだ微妙なのかもしれません。
十字軍やドラゴンの騎士団は
構成員はちゃんとした兵士のようです。
隻眼巨人隊は寄せ集めの素人集団です。
戦意の高さだけではどうにもならない力の差があると思います。
そのことはジシュカも承知だと思います。
どのような策でその戦力差を埋めるのか楽しみです。
また、
シャールカは
“戦いの天使”
とされています。
その設定がどのように活きるのかも注目ですね。
おそらくは戦いの責任を取らされるロクでもない役でしょうけど…
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