よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 について
無料で読む方法、あらすじとネタバレ、感想を紹介します!
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 とは?
出版社:講談社
発売日:2017/12/20
作者 :いしいさや
さやちゃんが幼いころ、母が新興宗教へ入信。
信者たちが目指すのは、神の教えの通りに規律正しく行動し、崩壊後の世界で復活し、楽園で永遠に暮らすこと。
さやちゃんは二世信者として母親や周りの信者から厳しく監視され、学校でも浮いた存在に。
交際禁止、漫画禁止、国歌禁止、輸血禁止etc…
禁止だらけの生活で感じたことを、ありのままにつづる、衝撃の告白漫画。
よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 1話のネタバレ
~わたしのお母さん~サユは母親に友人の家に遊びに行きたいと恐る恐る言ってみる。
すると、意外にも母親は快諾する。
サユが友人の家に行くと友人は快く迎えてくれる。
普段は地味な服を着ているサユにかわいらしい服をプレゼントしてくれる。
サユは大喜びして服をもらって帰る。
しかし、家に帰ると母親は開口一番で
“楽しくなかったでしょ?楽しいわけないよね”
と有無を言わさずサユの同意を求める。
サユは母親の機嫌を損ねないように、しかたなく同意する。
母親は
“兄弟や姉妹(洗礼を受けた信者のこと)に遊んでもらおうね”
という。
サユがもらった服を着ていると、母親は激怒して
“きもちわるい”
という。
サユは心の中で友人に謝りながら服を脱ぐ。
母親はサユを連れて集会に行く。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 2話のネタバレ
~わたしの一週間~サユは学校の宿題が終わると、母親との“予習”をするのが日課だった。
ほどなくすると信者がやってきて説教を行う。
正座を崩すと容赦なく足を叩かれる。
集会もあり、子供のサヤが発言するとみんな喜んでいた。
木曜日は信者の集まる建物で集会があり、日曜日は3時間くらいの集会があった。
土曜日は母親と
“奉仕”
となる。
新規の信者の獲得のための営業活動で、サユにパンフレットを渡す役を頼むと客の受け取る率がよかった。
パンフレットを渡すのに成功すると、母親は機嫌よさそうになる。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 3話のネタバレ
~ツバメは楽園に行けない~土曜日に母親と奉仕に行くため、サユは車に乗っていた。
途中で車にツバメがぶつかる。
サユは戻って助けるように懇願すると、母親は面倒くさそうに車を戻す。
男性がツバメを介抱していたため、母親は
“あのおじさんがなんとかしてくれるから”
といって奉仕に向かう。
向かった奉仕の先は耳の遠い老人だった。
老人は二人を手厚くもてなしてお茶を出す。
母親の話は耳に届いていない様子だった。
老人はサユをかわいがり、お菓子とお小遣いをくれる。
サユは喜ぶが、母親に
“これは寄付にしよう”
と没収される。
次に向かった家は同級生の家だった。
同級生に母親は二人をきつく拒絶する。
その様子を同級生が見ていたため、サユは学校に行くのが憂鬱になる。
サユはその晩、ツバメについて考えていた。
宗教の教えだと、死なせたツバメもツバメを助けた優しい男性も楽園に行くことはできない。
サユはその教えに疑問を感じていた。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 4話のネタバレ
~サンタさんはいない~サユは宗教のため、お祝いが禁止だった。
誕生日を祝うことができない。
学校でクリスマスの話題になっても入れなかった。
しかし、朝起きると枕元にぬいぐるみがあり手紙もあった。
サユは父親だと気付くが、
“サンタさんにもらった”
と父に報告する。
父も
“よかったね”
とほほ笑むが、母親が
“違うよ、それはお父さんがくれたんだよ、お父さんにお礼言いなさい”
という。
父親は無表情のまま部屋から出ていく。
その晩
母親がケーキを作っていた。
母親は
“クリスマスはダメだけど、エホバはパーティ自体は禁じていない。お父さんに感謝しよう”
という。
サユは母親のせめてもの罪滅ぼしなのだと理解する。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 5話のネタバレ
~お母さんの鞭~サユは奉仕の日に寝ぼけながら
“奉仕に行きたくない”
と呟く。
すると、母親は
“鞭だね”
といって虐待を始める。
サユは仕方なく従うしかなかった。
外から見たらわからないように、お尻に鞭をあてられる。
サユは常に母親の機嫌を損なわないように暮らしていた。
集会に行くと、小さい男の子がぐずりだす。
すると母親は子供を部屋の外に連れていく。
鞭の音と子供の泣き声が聞こえてきて、サユは真っ青になる。
母親たちは虐待するための鞭をどんなものかを使うかで談笑していた。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 6話のネタバレ
~いっぱいぱるよ~学校で応援合戦の練習が行われるが、サユはそれに参加できない。
学校で校歌斉唱の時もサユだけ起立しなかった。
誕生会、七夕、クリスマスすべてに参加はできない。
給食で血が入っている肉も食べることができなかった。
恋愛もご法度だった。
“宗教とかやってるらしい”
“何考えているのかわからない”
と周りから言われて、学校を休むこともあった。
サユはこの先“開拓者”となり毎日奉仕する未来が待ち受けていることに絶望する。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 7話のネタバレ
~性のめざめ~サユは性の目覚めが早かった。
教団が作成した若い信者への教育用の本にも記載がされていた。
教義では婚前交渉は禁止で、破ったら排斥となる。
自慰行為も禁止で、した場合は親に相談するのだという。
サユは教本で“自慰行為”を知り試してみる。
娯楽の少なかったサユはそれにハマることになる。
集会の最中もトイレに行っては自慰行為をしていた。
“わざとこっそり悪いことをする”
ことにより、つかの間だけつらいことを忘れようとしていた。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 8話のネタバレ
~好きな人ができたけど~高校生になると図書室に通うのが日課だった。
ある男子生徒と話すようになり、二人とも好印象を持つ。
ある日
男子生徒から付き合ってほしいと告白される。
サユは返事を待っていてもらう。
図書室の先生も背中を押してくれている。
しかし、サユは宗教のことを考えると、彼に迷惑が掛かってしまうと思い仕方なく断る。
翌日以降
男子生徒は図書室には来なくなっていた。
サユはもっとたくさん放したかったため残念だった。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 9話のネタバレ
~大好きなおじいちゃん~サユは母方の祖父が好きだった。
トラックでいろいろなところに連れて行ってくれていた。
祖父は集会の日を狙ってきてくれているようだった
映画館やお寺に行ったり、ハンバーガーやおやつを食べさせてくれた。
しかし、祖父はがんで亡くなってしまう。
葬式に参加するが、母親とサユは合掌と焼香はしなかった。
二人は顰蹙を買っており、母の妹も母をきつく咎めていた。
宗教の教えだと
“信者は亡くなっても楽園で復活する”
のだという。
そのため、いまだにサユは死生観が歪んでしまっていると自覚していた。
サユは祖父に対して
“ちゃんと見送れなくてごめん。ありがとう”
と思う。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 10話のネタバレ
~お母さんの入院~中学生のころ、母親が体調を崩したことがあった。
父と一緒に夜の病院に連れていくことになる。
母は意識を失っていた。
輸血をするという説明を受けると、サユは狼狽する。
輸血は宗教で禁じられていた。
サユがどうしようか迷っていると、看護師から輸血は不要になったと伝えられて安心する。
母親がしばらく体調不良だったため、“姉妹”が料理を持ってきてくれていた
母親なしで集会に参加することになる。
サユは
“神様について話したいことなんてない…”
と思い誰とも話さなかった。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 11話のネタバレ
~楽園に行けなくても~サユは“姉妹”が子供を連れてきていないのに気づく。
サユは思い切って母親に
“具合悪いからお休みしたい”
というと、母親は
“そう”
とだけいって集会に行く。
サユは図書館で宗教勧誘する女の子の小説を読んでみる。
そこで
“普通からみたら集会が異常”
なのだと認識し
“異常だと思っていた自分は間違っていなかった”
と安心する。
サユは
“こっち側”
で生きていきたいと決心する。
母親に今までのことはすべて嫌だったと打ち明ける。
母親は
“一緒に楽園に行きたかった”
と泣いて残念がる。
それ以降、母親はサユに集会に行かなくても何も言わなくなる。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 12話のネタバレ
~自由になれたら~サユは頑張って奨学金をもらって大学に進学することができる。
これから自由な生活が送れると思っていた。
しかし、20歳を過ぎると罪悪感で精神が不安定になる。
サユは
“本当に断ち切ってしまおう”
と思い、厳罰である
“婚前交渉”
を行う。
あまりにもあっけなく終わってしまい
“こんなことをしただけで神様は怒って人を殺すのか…”
と悲しくなる。
自宅の自室ではたばこを吸っていた。
教義に反する
・タバコ
・遊び
・婚前交渉
を経験したが、虚しく感じていた。
それでも
“いつか普通になれるといいな”
と思うと気分がよかった。
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よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 の感想
母親がキモすぎる!
戦慄したシーンとしては、集会で母親たちが自分の子供を虐待するための鞭について談笑しているシーンでした。
“ただのお前の憂さ晴らしじゃないか!”
とすさまじい嫌悪と欺瞞を感じました。
母親たちの会話から、どの家庭も旦那は宗教にハマっているわけではないようです。
それを知り、旦那にも苛立ちました。
こんな母親からは、どんな手を使ってでも子供を引き離すベキです。
結局は自分の子供より
・世間体
・ことなかれ
を優先させています。
おとなしそうな父親ですが、母親に対して“サユを置いてこの家から出ていけ!”くらいのことは言ってほしいです…
それが言えないようなレベルの男だから、こんなメンヘラな嫁しかもらえなかったのだと思いますけど…
逆説的で面白かったのは、サヤの性に対する目覚めが早かったことです。
その宗教の教義では固く禁じられているハズなのにです。
サヤは
“娯楽が少なかったから”
と自慰行為にハマったと説明しています。
有名な“源氏物語”もそうですが、娯楽が少ないと“道具や技術がなくてもできる娯楽”に走るのが人間のようです。
こからも、大人たちの都合のいい欺瞞を感じました。
子供には必要以上に禁欲させるくせに、子供がいるということは自分たちはヤっているということです。
下衆すぎますね…
悲しかったシーンは、せっかく母親が死にかけているのに、サヤが母親を心配しているシーンでした。
母親は実の父の葬式でも合掌や焼香をしないキチガイ女です。
そんな毒親でも、サヤにとってはたった一人の大事な母親なんだというのが伺えます。
おそらくすべての読者はあのシーンで“母親の死”を懇願したと思います。
母親を心配するサヤに対して怒りを感じた人もいるかもしれません。
母親はサヤに対して“呪い”のような存在で、それを取り除くのは非常に困難なことがうかがえました。
非常に興味深かったのは“母親はどのようにして宗教にハマったのか?”でした。
サヤとちがい、母親は完全に頭からつま先までどっぷりと宗教に浸かっちゃってます。
旦那の様子から旦那は宗教にハマっていないので、おそらくは結婚後にハマったのだと思います。
※結婚は同じ宗教内でとの決まりがあるらしいので、結婚前に宗教にハマっていたら旦那も宗教にハマっている人のハズ
自分の妻がおかしな宗教にハマるのを、旦那はどのように眺めていたのでしょうか…
こういう宗教にハマっている人たちは、いわゆる“厨二病”なのだと思います。
何の才能もないくせにそれを認めることができず、宗教にハマり思考停止することで自分に嘘をつきごまかしているのでしょう…
大学の“憲法”の授業で教授が面白おかしく話してくれた「エホバの証人輸血拒否事件」を思い出しました。
患者(エホバの商人の信者)が病院にいて、輸血しないと死ぬ状況だったそうです。
輸血を拒否したけれど、輸血しないと死ぬので医師は輸血して助けました。
そしたら、エホバの商人の信者は医師を訴えて、それがなんと最高裁の判決で勝訴したそうです。
こんな判決を下した判事もかなりのアレですが、“そんな宗教入ってるなら病院行くなよ!”と思いました。
理不尽すぎて唖然としますよね…
宗教にハマった人間はどこかの孤島にでも独立国家を作って、そこでひっそりと暮らしてほしいです…
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